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毎日「7時間睡眠」を確保できる人が守る、タスク管理の3つのルール

佐々木正悟(タスクシュート協会理事)

2024年08月28日 公開 2024年12月16日 更新

仕事に追わてストレスに悩み、時間が足りずに睡眠を削ってしまう...そんな悩みは、タスク管理のツールを一つに絞ることで改善できるかもしれません。タスクシュート協会理事で作家・佐々木正悟さんが実践する「心のスペース」を生むタスク管理の方法を、書籍『「ToDoリスト」は捨てていい。』から紹介します。

※本稿は、佐々木正悟著『「ToDoリスト」は捨てていい。』(大和出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

仕事は増えても、リストはひとつ!

この発想に賛否があるのは知っていますし、それをむげに否定するつもりもありません。しかしやはり、1993年に『「超」整理法』(中公新書)で野口悠紀雄さんが提唱して以来の「情報は一元化したほうがベター」に私も同意します。

いわゆる個人が入手できる情報は増えました。仕事も増えています。だから、情報やスケジュールを扱うツールを「ひとつに絞る」などというのは現実的ではないかもしれません。それでも私はやはり、とくに「タスク管理」に関しては、できるだけひとつに絞ったほうがいいと思うのです。

理由はシンプルです。時間は増えていないし、生身の人間の処理能力もあまり変わっているとは思えないからです。

たとえば、タスク管理するにあたり、タスクリストの他に、プロジェクト管理ツールやそれこそEvernoteのようなデジタルノートをくわえても、いたずらに「リスト」が増えるばかりだと思います。

そのリストに書いたメニューをこなす時間などありません。見返すヒマすらないでしょう。見返しもしないリストに「やること」を書いたところで役に立ちません。どうしてもやらなければいけないタスクは、「確実に読み返すリスト」に書き込まなければなりません。

だから私は、タスクシュート一本にすべての仕事を書き込みます。今日やるタスクはすべて「タスクシュートの1日のシート」にデイリーリストとしてあげます。

仕事に関わる情報も、可能な限りはここに集約させています。ミーティングで決まった約束や、次に済ませておく手続き、オンラインセミナーのURLなどなんでも「タスクシュートのノート」にできるだけ集めています。

多くの仕事を抱え、締め切りについて変更を迫られ、そんなときに新しい用事を口頭で告げられるだけでも「パニックになる」という人がいます。これは「心のキャパシティ」がいっぱいになりかけているのです。これ以上は入れられないところまで、なみなみとつぎ足されてしまったような状況なのでしょう。

そんな場合には、よく「リストを作りましょう」というごく当然のアドバイスがなされます。リストに記録し、手帳に予定を書き入れれば「心のスペース」が少し空きます。 

このときのホッとした安堵の気持ちが鮮烈なのでしょう。このために、人によってはなにかといえば「リストを作りたがる」ようになります。しかし、長いリストをいくつも用意しても「心のスペースが一時的に空く」だけで仕事が進むわけではありません。今度はリストがあふれ、結局は気持ちが焦り、消耗するようになります。

 

7時間は寝られるように計画する

1日、最低でも7時間は眠るようにしましょう。私は7時間30分から8時間くらい寝るようにしています。そもそも私が「タスクシュート」などで時間と行動の目安をつけているのは、7時間は寝られるように計画するためでもありました。

まず朝はだいたい7時に起きます。その時点でタスクシュートをチラ見し、少なくとも同じ日のうちに、つまり夜の23時台にはベッドに入れるかどうかを確認します。

そこから、いくつかの時間のポイントごとに、23時台に寝られるかどうかをチェックします。たとえば、朝ごはんを用意して食べ終わったとき、やはり23時に寝られるかどうかを見ます。

さらに、できれば1日の早い段階で、人と会う約束があればその時間に間に合うかどうかをたしかめます。昼の14時に東京駅で待ち合わせるなら、家を12時台には出なければなりません。このように、私のタスクシュートの運用ルールはとても単純です。

・約束の時間は守らなければなりません。
・締め切りが迫っている仕事から先に手がけます。
・夜の23時台に寝ます。

あとは好きなことを好きなようにするだけです。

 

寝ることで、だいたいのことは解決する

消耗に対していちばん効く薬は、「睡眠」だと私は信じています。理由を挙げると、「心のスペースを占有していたいくつかの記憶」が睡眠中に整理されるからだろうと考えます。

そういう意味では、睡眠はハードディスクの「デフラグ」とどこか似ています。「心の許容量」が圧迫されたまま仕事をすると、仕事は進まず心理的な疲労も増大します。眠りはそんな私たちを「再起動」してくれるわけです。人間関係も大事ですし、好きなことをするのも悪くないでしょう。

しかし、そのどちらも「十分に寝られたうえでの話」だと思うのです。これにいわゆる「エビデンス」を探せば見つけられると思います。しかし私はあまり証拠を探す意欲がわきません。私自身はもう50歳になります。幸いこの歳まで、本格的な神経症や精神障害で仕事がまったくできなくなったという経験がありません。

そして、そのことと「生まれて1日も徹夜をしたことがない」ことは深く関係していると感じているのです。

日本人は空気を読みすぎるとか生きづらい世の中を作り出すとか、いろいろな「民族性」がいわれます。私はその「日本人は」という主語の大きさに不信の気持ちがあります。しかし、「日本人は睡眠時間が短すぎる」という言説だけには同意します。私たちはもっと長く眠るべきです。

 

著者紹介

佐々木正悟(ささき・しょうご)

タスクシュート協会理事/ビジネス書作家

1973年北海道生まれ。タスクシュート協会理事。ビジネス書作家。1997年獨協大学外国語学部を卒業。2004年Avila University心理学部卒業。2022年タスク管理・時間管理術であるタスクシュートの普及と、自分らしい時間的豊かさの提唱を目的として「一般社団法人タスクシュート協会」を設立。タスクシュートのユーザー数は、25000人を超える。ポッドキャスト「働く人に贈る精神分析チャット(グッドモーニングボイス)」を平日にSpotifyから配信中。

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