なぜ大人がぬいぐるみを持ち歩く? 10~30代女性に広がる「ぬい活」、セガ フェイブが語る人気の理由
2026年09月16日 公開
近年のおもちゃのトレンドとして、大人が楽しめるおもちゃ・「キダルト」ジャンルが盛り上がっているのをご存じでしょうか。
先日開催された「TOKYOおもちゃショー」でも、懐かしのキャラクターをモチーフにした商品など、大人も楽しめるおもちゃが数多く並んでいました。会場を歩いていると、「おもちゃはもう、子どもだけのものではないのだ」と実感させられます。
そんななか、編集部が特に印象に残ったのが、セガ フェイブのブースです。
「アンパンマン プリちぃビーンズ」シリーズをはじめ、数多くのぬいぐるみ商品を手掛けるセガ フェイブ。この日のブースには、子ども向けの商品だけでなく、大人が身につけたり、持ち歩いたりしながら楽しめるぬいぐるみも数多く展示されていました。
なぜセガ フェイブは今、「大人に向けたぬいぐるみ」に力を入れているのでしょうか? その背景やこだわりについて、CPプロモーション部の芦久保健一さんにお話を伺いました。
メイン層は10代~30代女性
―今日、ブースを見させていただいて、人気のキャラクターと食べ物モチーフを掛け合わせたしたぬいぐるみが多いなと思いました。これはトレンドを取り入れているのでしょうか?
そうですね。たとえば、この「Kawaii YumYum MART」シリーズは、サンリオの人気キャラクターとアメリカンダイナーを掛け合わせた商品です。ハンバーガーやパンケーキ、ポテト、ドリンクなど、アメリカンダイナーをイメージしたキャラクターたちが楽しめます。
また、こちらの「きゃらマロ」シリーズは、スイーツのような見た目のディズニーキャラクターと、串に挿さったユニークなフォルムが特徴です。今、原宿系クリエイター・しなこさんの「グミマシュマロ棒」が話題になるなど、串型スイーツが話題になる中、トレンドにマッチした商品になっています。
ぬいぐるみって、かわいいものを飾りたい、持ち運びたいというニーズがあると思うんですが、その中でも、かわいいキャラクターがかわいい食べ物になりきっている姿は、「かわいい」と「かわいい」の融合ということで、非常に魅力的ですよね。
―どのくらいの年齢層をターゲットにしているのでしょうか?
例えば「きゃらマロ」でしたら、10代から30代くらいの女性がメイン層です。
昔のように、ぬいぐるみで遊ぶ子どもたちというよりは、もう少し上の年代の方をターゲットにしています。
―今、ぬいぐるみは若い方にもよく売れているのでしょうか?
そうですね。ぬいぐるみの販売数や市場規模は、年々増え続けています。
弊社では年間で約1300万体のぬいぐるみを作っています。都民の数に迫る勢いですね。(笑)
その理由のひとつとして、もともとぬいぐるみは「家で遊ぶもの」だったのが、今は「外に持ち運ぶもの」になってきたことがあると思います。
例えばバッグにつけたり、旅行先にぬいぐるみを連れて行って「ぬい撮り」をしたり。そうした市場が拡大したことで、ぬいぐるみ自体の市場も非常に大きくなっています。
―「ぬい活」を応援するというか、ぬいぐるみを持ち運んだり、楽しんだりしやすくするグッズも結構見受けられました。
まさにそうですね。持ち運びやすくするだけでなく、持ち運んだ先で「こんなふうに楽しめますよ」と、さまざまな使い方を提案しています。
例えば「アクぬいcollection」は、「アクスタ」と「ぬいぐるみ」を組み合わせた商品です。普段は、マスコット背面の凸パーツをアクリル製の台座に差し込んでディスプレイできます。
さらに、自立用のスティックをそのまま「ぬい撮り棒」として使えるため、家では飾って楽しみ、外出先ではぬい撮りを楽しむなど、シーンに合わせて活用できます。
「きゃらマロ」は串から外して指につけられるので、ディズニーリゾートなどに一緒にお出かけする、といった楽しみ方もできます。
大人たちのぬいぐるみブームの背景は?
―ちなみに、「ぬい活」はいつ頃から流行していたのでしょうか?
イメージとしては、コロナ禍のあとでしょうか。いつもは家でかわいがっていたぬいぐるみを、外にも持ち運ぼう、という流れが広がっていったように感じます。
本格的に「ぬい活」という言葉が取り上げられて浸透したのは、2025年の「新語・流行語大賞」にノミネートされたことも大きかったと思います。
―大人たちのぬいぐるみブームの背景には、何があると考えていますか?
直接的な答えになるかわかりませんが、やっぱり「推し活」があると思います。
自分の好きなキャラクターを推す。その「推し」とずっと一緒にいたい、という気持ちが形になって、ぬいぐるみを外にも連れて行くという楽しみ方に広がっているのかな、という気はしますね。
―ちなみにですが、セガフェイブさんで今イチオシのぬいぐるみは…
8月に発売したばかりということもあって、「きゃらマロ」シリーズですね。今日も本当にたくさんの方がこのブースを見て、盛り上がってくださっています。
ボールチェーンがついているので、バッグなどにつけることもできますし、指につけていると、こんなおじさんの手でも「かわいい」と言ってもらえるんですよ(笑)。
ぬいぐるみは、大人の生活を彩るもの
「子どものもの」というイメージを超えて、大人の日常にもすっかり定着しつつあるぬいぐるみ。お気に入りのキャラクターを「推し」として身近に置くだけでなく、一緒に出かけたり、写真を撮ったり、SNSでシェアしたりと、その楽しみ方はますます広がっています。
今回の取材を通して感じたのは、「ぬいぐるみとどう過ごすか」という楽しみ方が大きく広がっているということ。飾る、持ち歩く、撮影するといった、大人ならではの楽しみ方に寄り添う商品が次々と生まれています。
子どもが遊ぶものだった「おもちゃ」は、いまや大人の「好き」を楽しむためのアイテムにもなっています。これからおもちゃメーカーがどんな新しい遊び方を提案してくれるのか、ますます目が離せません。