「これ以上引きずらない」ためのストレス対処法
2016年10月27日 公開 2023年09月12日 更新
モヤモヤを書くだけでもストレスは軽減される
この「ストレス状況」と「認知」「気分・感情」「身体反応」「行動」は、お互いに影響を及ぼし合っています。
たとえば「上司に叱られた」というストレス状況により、「また怒られた」という認知が浮かび、「怖い」という気分・感情が生じて、「ドキドキする」という身体反応が起こり、「(落ち着くために)深呼吸する」という行動をとる、といった具合です。
なお、同じストレス状況があっても、その人の認知によって気分・感情は変わります。同じ「上司に叱られた」という環境でも、別の人は「自分のために言ってくれたんだ」という自動思考が浮かび、やる気がわいてくるかもしれません。このように、ストレス状況とストレス反応がどう影響し合うかは、人によって異なります。
日頃なんとなく感じているモヤモヤを、こうした視点から整理してみると、自分を取り巻く状況が具体的になります。ストレスを感じるとき、私たちの中では「ストレス状況」と「ストレス反応」がぐるぐると相互作用し、ネガティブな悪循環に陥っています。その悪循環を切ることがストレスを和らげる方法ですが、まずはそれを外在化し、「自分は今、こんな状態なのか」と気づくことが、ストレスマネジメントにおいては非常に重要なのです。ぜひみなさんも、自分の「ストレス状況」と「ストレス反応」を書き出してみてください。
一般の人がいきなり「ストレス反応」を4つの領域に分けるのは難しいので、まずは領域にこだわらず、「今の自分を取り巻く環境には、どのようなストレス状況があるのだろうか」「そのストレス状況に対して、自分の中にどのようなストレス反応が生じているだろうか」と問いかけ、思いつくことをなんでも書き出してみてください。