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生き方

成功する人は群れの中で消耗しないーひとりぼっちの時間(ソロタイム)のススメ

名越康文(精神科医)

2018年05月16日 公開 2022年08月16日 更新

ソロタイムを過ごすことで、初めて見えてくるもの

群れの中の時間=ソーシャルタイムのなかで疲弊している現代人に必要なのは、「ひとりぼっちの時間=ソロタイム」だというのが、私の考えです。

え? 「私は友達も少なくて、孤独で、いつもひとりぼっちなんですけど」って?

よく考えてみてください。あなたは確かに今、一人で過ごしているかもしれない。でも、あなたの心の中は、本当に「ひとりぼっち」でしょうか? あなたの心の中には、今、この瞬間も、たくさんの<他人>が棲みつき、あなたに声をかけてはいないでしょうか?

あなたが孤独で、寂しくて、辛い思いをしているのは、心の中の他人が四六時中、あなたに「こうあるべき」「こうすべき」「これはやってはいけない」と行った群れのルールや価値観を押し付けているからではないでしょうか?

私たちはかなり明確に意識しないと、群れの時間、すなわちソーシャルタイムに、人生のほとんどの時間を費やしてしまっています。簡単にいえば、私たちは人生のほとんどの時間を、身近な人間関係を維持するためだけに、浪費してしまいがちである、ということです。

緑の豊かな公園を散歩する、小さな喫茶店で歴史小説を読む、静かなお寺の境内で瞑想する……。

ソロタイムを過ごすための具体的な方法については、『ソロタイムひとりぼっちこそが最強の生存戦略である』で詳しく紹介しているので、ここでは省略します。

ここでみなさんにお伝えしておきたいことは、ひとりぼっちの時間=ソロタイムを過ごすことがなければ、私たちは「群れのなかで生きる自分」の姿を、客観的に見つめ直すことができない、ということです。

会社や家族、友人や恋人、あるいは国や社会……。自分がどのような「群れ」のなかで生きているのか、その「群れ」の常識や慣習が、自分にどんな影響を及ぼしているか、自分の人生をどのように、どの程度縛っているのか。

私たちは、ソロタイムを過ごすことによって初めて、自分を縛っている「群れ」の姿を認識することができます。そして、人生に与えられた限られた時間に「ひとりぼっち」で向き合うことで初めて、自分のなすべきことが何なのかということを、明確に掴み取ることができるのです。

 

※本記事は、名越康文著『SOLO TIME (ソロタイム)「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』 (夜間飛行) より一部を抜粋編集したものです。

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