1. PHPオンライン
  2. 生き方
  3. あなたの「イライラ」は悪くない! ストレスから身を守るには「怒り」を味方に

生き方

あなたの「イライラ」は悪くない! ストレスから身を守るには「怒り」を味方に

関屋裕希(せきや・ゆき/臨床心理士)

2018年09月27日 公開 2019年08月09日 更新

怒り=「大事なものが傷つけられている」サイン このサインを味方につけよう

けれど、筆者にとっては、怒りは「感情ってスバラシイ!」と思わせてくれるきっかけになった感情です。なぜかというと、怒りという感情にも、大事な機能があるからです。

怒りの機能。それは

「自分の大事なものが傷つけられている! 守るために行動したほうがいいよ!」

と教えてくれることです。たとえば、友人からプレゼントされたかばんにジュースをかけられたら腹が立つけれど、「そろそろ買い換えようかな」と思っていたかばんだったら、そこまで腹は立ちませんよね。大事なものだからこそ、腹が立つのです。

この感情、私たちが森で暮らしていたころには、「命」を守ってくれていました。自分の命、家族や群れの命、自分の住んでいるところを獣に襲われたとき、怒りが危険を知らせてくれ、反撃することで、私たちは生き延びてきたのです。言い換えると、自分の守っている境界線を越えて領域(テリトリー)が侵害されているときに起こる感情ともいえます。

次のページ
あなたのこんなものが傷つけられていませんか?

関連記事