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脳内科医の主張「部屋を片づけらない原因は“脳”にある」

加藤俊徳(脳内科医/医学博士)

2019年10月28日 公開 2023年01月12日 更新

 

片づけ脳になる一歩は、朝の散歩に出かけること


加藤さんは脳の模型を使って各脳番地の特徴をわかりやすく解説してくださった。

── 脳番地ごとの具体的なトレーニング方法はご著書に譲るとして、片づけ脳を定着させるためにおすすめの方法を教えていただけますか。

朝起きたら散歩に出かけてから、片づけに取り掛かることです。体を動かすとアイディアが浮かびやすいという経験はありませんか? これは、企画を立てるときに活性化する「思考系脳番地」が刺激されるから。思考系脳番地は、運動系脳番地と一緒に動かすと、よく働く性質があります。

だから散歩や軽い運動をすると、頭が整理され、アイドリング状態になるのです。だからキッチンやリビングが散らかっていても、悩む前に動くことをおすすめします。

── とはいえ、いらないものが机の上に積み上がっていたら、片づけ始めるのが億劫になりそうです。

不要だと思うものが積み上がっていたら、ゴミだととらえがち。ですが、あえて「宝の山」だととらえてみてはどうでしょうか。自分を変えられる素材が山ほどあると考え、先入観にとらわれず、新たに興味がもてそうなものを発掘してみる。

そして、「実はこんな意味づけができるんじゃないか」と発想する。こんな風にすれば、一見面倒なルーティンである片づけが、実はクリエイティブに考えるための時間になるのです。

脳には、普段、使っている脳番地ばかりに依存しやすく、知らず知らず固定的なパターンをつくり出す性質がある。そのパターンから離れるためには、普段使わない脳の使い方を、片づけで試してみればいい。まさに「自分を変えるための片づけ」は思考のマンネリ化を予防してくれます。

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著者紹介

フライヤー(flier)

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