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定年後に「脳の成長が止まる人」「活性化し続ける人」の決定的な差

霜田里絵(医師・医学博士)、鬼塚忠(作家エージェント)

2020年02月19日 公開 2023年01月23日 更新

脳に「定年退職」はない!

(鬼塚)会社勤めに定年という概念があるのは仕方ないとしても、脳には定年退職なんてありませんし、人生は最期まで日々の積み重ねが続いていくものです。

(霜田)人生はまだまだ続くのに、社会通念で決められた定年の日から脳も定年退職にしてしまい、「身体が動かせなくなる=脳も衰える」という勝手な思い込みでは、せっかく脳も働かなくなるのは当然のことです。脳を若々しく維持するためには、とにかく使い続けることが必要です。

(鬼塚)ひと昔前なら脳の細胞は年齢とともに衰えるいっぽうだ、と思われていましたね。

(霜田)1998年にスウェーデンの研究者らによって「海馬」という記憶に関わる重要な部位が、年齢を重ねてからも新生されることが報告されました。

これは非常にセンセーショナルな発表で、「海馬」に関する本も世界的に多数出版されてベストセラーとなりました。でも、だからといって何もしないでいいわけではありません。

やはり活性化させる努力は必要です。とにかく「年齢とともに衰える=脳の再生はない」という概念は、もう否定されているといっても過言ではないでしょう。

(鬼塚)画家になるかどうかはさておき、「生きている限り創作を続ける精神」こそ私たちが長く元気に生き続けるヒントにするべきでしょう。

(霜田)長寿画家たちには、生命の長さとの闘いにあって、とにかく1つでも多くの作品を描きたいという気持ちで年齢を重ねていくということ、常に新しい挑戦を続けるという生き様を、私たちは大いに学ぶべきです。

(鬼塚)今日はありがとうございました。

(霜田)元気で感性豊かに、長寿を楽しめる人が増えることを願っています。

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