元乃木坂46・中田花奈「アイドル辞めた後は、金銭的にも不安だから…」
2020年12月22日 公開
口は出さない「バフェットの結婚観」
【濱本】で、バフェットは、おもしろいことに投資を結婚にたとえることが多く、彼の投資姿勢がそのまま結婚観となっています。
例えば、パートナーを自分の思いどおりに変えようとすると夫婦喧嘩になるので、口は出さない。そして、投資先にも口を出さない方針をとっています。
【中田】モノを言わない株主?
【濱本】そうです。最近は「モノを言う株主」が目立ったりするけど、これに対してバフェットは、会社に何か問題がある場合には、黙って投資しないか、すでに投資している場合には投資を中止するようです。
そして、パートナーも投資も一生添い遂げることを信条としているようです。
【中田】いろいろ言わないけど、ずっと添い遂げる覚悟があるのですか。
【濱本】そうです。だから相手(投資先)をじっくり選ぶのです。
絶対にしてはいけない、2つの無理
【濱本】大事なことは、「お金のために無理をするな」ということです。ここでいう無理には2つの無理があるんです。
【中田】2つの無理って何ですか?
【濱本】投資における「無理」には“経済的無理”と“能力的無理”があって、これらの無理を決してしないことが重要です。
まず、経済的に無理をしないためには、半年から1年の生活費分の貯蓄は確保して、これを超える余裕分のみで投資を行うことです。ちなみに、木村剛(著)『最新版 投資戦略の発想法』(アスコム)では、万が一失業した場合の生活防衛資金として、2年分の生活費を貯めてからじゃないと投資に手を出すべきではないと言っています。
結構慎重なことが書かれていると思うのですが、金融の専門家がこのような堅実な姿勢が必要と言っているわけで、決して無理をして投資をしてはならないということです。
次に、能力的に無理をしないためには、投資のための知識を身につけて、わからない投資先には投資しないことです。
【中田】それは私も同感ですね。
【濱本】だからなけなしのお金をはたいて株を買ったり、たいした知識もなくて気の向くままに銘柄を選んだりするのはダメってことです。
【中田】それはダメですよね。
【濱本】でも、こうした当たり前のことが意外に守られずに、つい無理をしてしまうのが人情なんです。やはり誰でもお金に困ることが怖いからでしょうね。
確かにお金に困ることは、最低限の生活水準が確保できなかったり、自由を奪われたりして大変辛い思いをすることにつながるから、少なくともお金に困らないようにすることは大事ですよね。
【中田】私もアイドルっていつまでもできる仕事ではないし、元々アイドルになるのが目標だったので、アイドルを辞めた後の人生はまだ見えていないし、金銭的にも将来にすごく不安がありますね。
【濱本】そういう不安感や恐怖感を克服して、無理をしない投資姿勢が大事ということなんですよね。
で、誰もが夢を見る超金持ちとか不労所得を得ることとかが幸せなのかということについても、考え直す必要があります。やっぱり不労所得とか憧れるでしょ?
【中田】不動産収入だけで生活できるとか、確かに憧れますね。
【濱本】でも、バフェットは、お金を稼ぐこと自体はほとんど人を伸ばさないと考えているようです。私も含めて人ってなかなか伸びないけど、自分を伸ばす数少ない手段の1つとして「仕事」があると思うんですよね。また、挫折、良い人との出会いも人を伸ばすと思う。
【中田】確かに仕事がないのはしんどいです…。乃木坂の4曲目のシングルで初めてアンダーになった時は、本当に仕事がなくなって。テレビでは、「その時にゲームを極めた」なんて冗談を言っていたんですけど、当時は本当に辛かったんです。
【濱本】「仕事」って自分を成長させる形で生活を充実させますね。これに対して「趣味」は人の幅を作る形で生活を充実させるけど、これで人を伸ばすことはなかなか難しい。
中田さんはヲタ出身のアイドルだけど、趣味としてのヲタ活は楽しかったと思うけど、職業としてのアイドルは楽しいことばかりじゃないですよね?
【中田】(首を大きく横に振って)全然違います。
【濱本】趣味はほとんど楽しいことだけだけど、仕事は結構苦しいことが多い。でも、仕事としての苦しさを味わい、苦しさを乗り越えてからの違った意味で楽しさを味わないと人は伸びないと思うんですよね。だから株式投資だけで寝ている間に儲ける生活はオススメしない。
【中田】仕事をしながら投資するのがオススメということですか。
【濱本】そうです。だから絶えず株価を気にする短期投資よりも、バフェットのような中長期投資が仕事と両立できるのでオススメなのです。