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面接官「月に何冊本を読んでいる?」…正直に答えて鼻で笑われた“趣味は読書”な人

みくりや佐代子(フリーライター/エッセイスト)

2021年04月22日 公開 2024年12月16日 更新

日々忙しいビジネスパーソンにとって、いかに効率良く情報収集をするかが重要になっている。そのため、多くの方は情報量が多い本を敬遠しがちである。しかし実際、読書好きは「本を全部読んでいない」ということをご存じだろうか。noteで人気のエッセイスト・みくりや佐代子氏は短時間で読書する「辞書読み」を勧めている――どのような読書法なのだろうか。

※本稿はみくりや佐代子著『働く女の「しないこと」リスト』(インプレス)より一部抜粋・編集したものです。

 

読書好きは「本を全部読まない」

通勤時間や就寝前に書籍を読むビジネスパーソンは多くいます。物語ならば最初のページからめくっていくものですが、実用書や自己啓発本であれば辞書のように読むのがオススメです。

一般的に書籍の冒頭には目次があります。読者にとっての目次は「自分の知りたい情報がどこに書かれているか」を知るためにあり、目次から選択することで最短距離で情報に辿り着くことができます。

当たり前ですが、本には冒頭から順番に最後まで読まないといけないというルールはありません。興味のない部分までくまなく読むことに疲れて離脱するくらいなら、無理にすべて読み切ろうとしなくていいのです。

この読書方法を教えてくれたのは前職で出会った上司でした。読書好きだった上司にどうしてそんなに多くの本が読めるのかと尋ねたところ、返ってきた言葉は「最初から最後まで読んでいないから」でした。

内容について気になることがあればその都度索引から選択して辞書を引くように読むため、その動作を繰り返していると脳に情報が定着するとのこと。

これは、「本は最初から最後まで読み切らないと値段のモトが取れない」とこだわっていた私には目からウロコ!けれどよくよく考えてみたら、子供の頃読んでいた少年ジャンプは絶対にお気に入りタイトルから読んでたなあ……(笑)。

それを機に目次を大いに活用して無理に本を全て読み切らないようになり、それ以降読書の回転数が大幅に速くなりました。

 

「自分のモノ」にできているか

そういえば苦い思い出があります。就職活動をしていた2010年のことです。とある面接で趣味を尋ねられた私は「本を読むことです」と答えました。すると面接官は「月に何冊読んでるの?」と尋ねてきました。

私は馬鹿正直に「2冊です」と答えました。決して多い数字ではないことは承知していましたが、気にいった本を繰り返し読むタイプだったので正直に答えました。面接官は鼻で笑って言いました。

「月に2冊じゃあ読書好きとは言えませんね」

要領の悪かった私は上手く返すことができませんでした。けれど今になって思うのです。読書量は確かに重要ですが、多くを読んでも知識や記憶として定着せずにそのまま抜けていってしまっては本末転倒ではないでしょうか。

私は繰り返し読んだ本については感想を人によく話していたので、そのアウトプットのおかげで記憶に定着している自信がありました。読書量や読書スピードと同じくらい、いえそれ以上に「いかに得た知識を自分のモノにしているか」を大事にすべきなのです。

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本をどう読むのが正しいのか

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