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生き方

戦争を起こすのは国家でなく“個人”...いま話題の僧侶が説く「幸福に必要なこと」

大愚元勝(僧侶・株式会社慈光マネジメント代表取締役)

2022年04月27日 公開 2022年05月09日 更新

 

まずは「自らの身に引き合わせて考える」

世界は密接に関係しています。新型コロナウィルスのパンデミックしかり、ロシアのウクライナ侵攻しかり、他国で起こる出来事は、自国の政治経済、私たちの個々の生活や人生にも大きく影響します。

どんな戦争も、国家から始まるのではありません。
個人の「信念・選択・意思決定」から始まり、集団に影響を与え、世界へ広がっていくのです。

どんな平和も、国家から始まるのではありません。
個人の「信念・選択・意思決定」から始まり、集団に影響を与え、世界へ広がっていくのです。

「お金」を幸福へのカギだと信じて、破壊と殺戮の道を歩むのか。
「人格を高めること」「道徳を修めること」を幸福へのカギだと信じて、平和と幸福の道を歩むのか。

ブッダは、

『全てのものは暴力に怯える。すべての生き物にとって、
生命は愛しい。自からの身に引き比べて、殺してはならない。
殺させてはならない。』【法句経・130】

『自らが幸せになろうと思って そのために、幸せを求めている他人に
暴力でもって害するならば、その人は幸せを得られない』【法句経・131】

と教えられました。

命の大切さを、ああだこうだ議論する必要はありません。ブッダの言う通り、「自らの身に引き比べて」考えてみれば、誰にでも答えは明確なはずです。

どんな国家であれ、人間の集まりであることに変わりはありません。

肌の色の違いはあれ、文化の違いはあれ、宗教の違いはあれ、安全に、幸福に暮らしたいと願う個人の集まりであることに変わりはありません。

人間が幸福に生きるための条件を「お金」だと信じている限り、世界に平和は訪れません。

人間が真に幸福に生きるための条件を「人格の成長」だと理解し、努力しない限り、世界に平和は訪れません。

そして人格は、他の生命の痛みを、他の命の苦しみを、他の命の叫びを「自らの身に引き合わせて考える」ことによってしか、成長しないのです。

 

【大愚元勝(たいぐげんしょう)】

佛心宗 大叢山 福厳寺住職。株式会社慈光マネジメント代表取締役。慈光グループ会長。僧名「大愚」は、大バカ者=何にもとらわれない自由な境地に達した者の意。駒澤大学、曹洞宗大本山総持寺を経て、愛知学院大学大学院にて文学修士を取得。僧侶、事業家、作家・講演家、セラピスト、空手家と5つの顔を持ち、「僧にあらず俗にあらず」を体現する異色の僧侶。

HPにて「お悩み相談」を受け付けているほか、YouTubeチャンネル「大愚和尚の一問一答」で国内外から寄せられた相談にも対応する。著書『苦しみの手放し方』(ダイヤモンド社)、『最後にあなたを救う禅語』(扶桑社)、『人生が確実に変わる 大愚和尚の答え』(飛鳥新社)など。

 

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