「亜鉛」の不足が病気のリスクを高める
イラスト:平澤南
「亜鉛」は、バランスよく食べていないと必要な量を摂取することが難しい栄養素です。
令和元年の国民健康・栄養調査結果によると、75歳以上の1日の亜鉛摂取量は7.5㎎でした。推定平均必要量は9㎎、推奨量は10㎎ですから、やや不足していることがわかります。
亜鉛は体内に2g程度しか存在しませんが、微量ながら体内でさまざまな酵素やホルモンの原料になっています。
慢性的に不足すると、皮膚炎、味覚障害、免疫機能障害などが起こるリスクが高まります。
亜鉛は牡蠣などの貝類に多く含まれています。牡蠣のオイル漬けなども便利で、野菜と炒めたり、ごはんに炊き込んだりして、一年を通して美味しく食べることができます。
亜鉛はほかに、赤身肉や豆類などに豊富で、少し意外かもしれませんが、あんこやきなこ、純ココアにも含まれています。
かつて日本人の食卓には、あさりやしじみなどの貝類がよく登場し、おやつにはおはぎやお団子などをよく食べていました。
食生活の欧米化によって、これらの食品を食べる機会も減っているのではないかと思います。
季節ごとの旬の豆や貝類を食生活に取り入れて、あんこやきなこをたっぷり使った和菓子を楽しむのも、亜鉛の摂取につながるのではないでしょうか。