1. PHPオンライン
  2. くらし
  3. 1年で最も冷え込む「寒」は何日間? “二十四節気”で味わう四季の変化

くらし

1年で最も冷え込む「寒」は何日間? “二十四節気”で味わう四季の変化

山下景子(文筆家)

2022年12月23日 公開 2023年06月14日 更新

1年で最も冷え込む「寒」は何日間? “二十四節気”で味わう四季の変化

現代の私たちの生活からは季節感が失われていく一方。あらためて二十四節気をもとに、季節の移り変わりを感じて楽しんでみませんか? 今回は、小寒から夏至までの十二節気と、その季節が感じられる象徴的なものを紹介いたします。

※本稿は、月刊誌『PHP』2023年1月号掲載記事を転載したものです。

 

暮らしの中に、二十四節気を

二十四節気は、1年を24に分けた季節の目安です。365日を24に分けるのですから、約15日おきになります。立春、雨水、啓蟄...というように、漢字二文字で、季節を簡潔に言い表す名前がつけられました。

それぞれの名前は、最初の日をいう場合と、15日間をさす場合があります。古くは、月の動きと日付が連動した暦が使われていました。「旧暦」と呼ばれている暦で、正確には太陰太陽暦といいます。

旧暦では新月の日を1日とし、満月を経てまたもとの新月に戻もどるまでを1カ月としました。たとえば、「今日は満月だから15日だ」というように、月の形でだいたいの日付がわかったのです。

ところが、新月から次の新月までは、約29.5日。すると、1年は約354日。太陽の周期である365日とは、11日ほどの差ができてしまいます。季節は太陽の動きにあわせて移り変わっていきますから、このままずれ続けては困りますね。

2、3年に一度の割合で閏月を加えて調整するのですが、それでもずれが生じます。そこで、太陽の動きに基づく二十四節気が生まれたのです。

現代は太陽暦ですから、季節の目安は必要ないはずです。でも「今日は1月20日だ」というよりも「大寒だ」というほうが、季節のイメージが湧いてきませんか。

季節を感じにくくなってきている現代。ですが、日本はもともと豊かな四季に恵まれた国です。二十四節気を暮らしに取り入れることで、もっと細やかな季節の移り変わりに気づけるようになるのではないでしょうか。

 

「小寒」2023/1/6~1/19

●季節の象徴的なもの:寒鰤

小寒と大寒を合わせた期間を「寒(かん)」といいます。1年で最も寒いとされる時期です。小寒の初日は「寒の入り」。いわば、厳寒期のスタートです。

ところで、寒中に得られる食材は「寒〇〇」と呼ばれ、おいしいとか、栄養価が高いとか、薬効があるなどといわれてきました。脂がのった寒鰤(かんぶり)もそのひとつ。ほかにも寒鮃(かんひらめ)、寒鰆(かんざわら)、寒卵、寒蜆(かんしじみ)、寒海苔、寒餅...。

寒ならではの恵みをいただいて、厳しい冬をのりきりたいですね。

 

「大寒」2023/1/20~2/3

●季節の象徴的なもの:寒月

引き続き寒中ですが、大いに寒いと書くように、いっそう冷え込むようになるのが大寒です。とはいえ、二十四節気は大寒が最後。次は立春に戻り、春を迎えるのです。

風景にも、寒月(かんげつ)、寒星(かんざし)、寒雲(かんうん)、寒夕焼けなどのように「寒」をつけて呼ぶことがあります。寒々と見えるだけでなく、ほかの季節にはない味わいや美しさも持っています。今年は、大寒の三日目が新月。日に日に満ちて冴えわたる月とともに、春を待ちましょうか。

次のページ
「立春」2023/2/4~2/18

関連記事

アクセスランキングRanking

前のスライド 次のスライド
×