人に認められることを重視するあまり、自分を抑え込んでしまっていませんか?人付き合いで疲れ切った心を開放する方法を、心理カウンセラーの中島輝氏が提案します。
※本稿は、『PHPスペシャル』(2017年9月号)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
苦手なことは人にまかせていい!
何か頼まれて「できない」と言ったら、「使えない人」「不親切な人」と思われるのではと深読みして断れない。反対意見を言ったら仲間外れにされるのではと深読みして、イエスマンになってしまう。その結果、自分を犠牲にして心が消耗してしまう......。
こういう人は、「頼まれごとは真面目に全部引き受けないと関係が悪くなる」と思い込んでいます。しかし、その頼まれごとは、あなたにしかできないことでしょうか。あなたの「いい加減」が、誰かにとっては「ちょうどいい」かもしれないですし、たとえあなたがいなくても、たいていのことは回ります。
あなたが思うほど、人はあなたのことを気にしていません。苦手なことは人にまかせていいのです。いつも全速力では心の体力がなくなります。
「苦手なものは苦手」「できないものはできない」と正直に認めて素直に伝えれば、相手も悪いようには捉えません。その代わり、あなたが好きなこと、得意なことでカバーしましょう。
「完璧」はとうてい無理だと思っていい!
人に認めてほしいばかりに、「~すべき」という価値観に翻弄されて闇雲にがんばってしまう。しかし、やがて無理が出てくると、「どんなにがんばっても認めてもらえない」とマイナスの妄想が勝手に膨らみます。
そして、目標を実現できない自分にも、評価してくれない相手にも不信感が募ります。
こういう人は、「相手の信念や価値観、評価基準は自分と同じである」と思い込んでいます。
しかし、すべての人から完璧に認められるのは無理です。「こうやったら人 から認められるんじゃないか」「私はこうするように望まれているんじゃないか」と深読みしても苦しくなるだけです。
他人の評価を気にして自分に高いレベルを要求し、誰からも好かれよう、認められよう、尊敬されようとすると、自分の首をしめることになります。
人間は完璧ではありません。一生、未完成です。それよりも、相手との一瞬一瞬を大切に積み重ねていけば、自然とあなたは認められますよ。