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「考えが浅くないですか」共感型のマネジャーに部下が放った言葉の意味

三宅孝之(株式会社ドリームインキュベータ代表取締役社長)

2023年10月24日 公開

 

苦手な能力も鍛えれば伸びる!

ビジネスプロデューサーを目指すうえで重要なのは、まず、自分のタイプを知ることです。タイプを知ることで、どのようなスキルを鍛えるべきかを意識できるようになります。

本来、人間には、深掘り力と共感力の両方の能力が備わっています。どちらか一方の能力が発揮しやすいというだけで、もう一方の能力も、意識してトレーニングすれば、鍛えることができます。

私自身も、これまでを振り返ると、深掘りタイプ優位だった時期と共感タイプ優位だった時期がありました。

私は中学時代まで、深掘りタイプだったと思います。細かいことがやたらと気になり、何をやっても時間がかかって、なかなか前に進めることができませんでした。

こうした自分の性格というか、特性が非常に嫌いやで、「何でも上手く、速くやれる器用な人になりたい」「細かいことを気にしない、細かいことで悩まない人になりたい」と思っていました。共感タイプにあこがれたのです。

そこで、共感タイプを目指して、中学、高校時代はひたすら人付き合いを重視し、何事も要領よくやることを意識しました。

大学は理系学部を選んだため、深掘り力を高めた効果はあったと思いますが、大学生活やその後の社会人生活を送る中で、かなり共感タイプ優位な人間になっていました。

31歳でA.T.カーニーという戦略コンサルティング会社に転職すると、突然に高いレベルの深掘り力が求められました。

長らく共感タイプだった私は、あまりにも考えが浅すぎて、このままではまったく通用しないことを痛感しました。今一度、深掘り力を相当なレベルで鍛えるべく、コンサルタントの仕事を通じてトレーニングする日を送りました。

そのおかげで、34歳でDIに入社した時点では深掘り力が相当に鍛えられていました。しかしながら、どちらかと言えば、まだ共感力のほうが高かったと思います。割と早くマネジャーになり、「共感力を駆使して、チームメンバーたちともとても上手くやっている」と自分では思っていました。

ところがある日、深掘りタイプのメンバーから、こう言われました。

「三宅さん、考えが浅くないですか」

非常にショックだったのを今でも覚えています。それからは、また深掘り力を鍛え上げることを意識するようになりました。

ビジネスプロデュースでは、高い深掘り力が求められる場面もあれば、高い共感力が必要とされる場面もあります。そのため、DIで数々のビジネスプロデュースに関わることで両方の能力が徐々にバランスよく鍛えられ、何とかビジネスプロデューサーへの道を歩むことができました。

 

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