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「転職市場で価値のある人」ほど習慣化している学習とは?

大賀康史(フライヤーCEO)

2023年10月13日 公開

「転職市場で価値のある人」ほど習慣化している学習とは?

ビジネス書を中心に1冊10分で読める本の要約をお届けしているサービス「flier(フライヤー)」(https://www.flierinc.com/)。こちらで紹介している本の中から、特にワンランク上のビジネスパーソンを目指す方に読んでほしい一冊を、CEOの大賀康史がチョイスします。

今回、紹介するのは『キャリアづくりの教科書』(徳谷智史著、NewsPicksパブリッシング)。この本がビジネスパーソンにとってどう重要なのか。何を学ぶべきなのか。詳細に解説する。

 

長いキャリアを歩む中で大切なこと

キャリアづくりの教科書

就職活動のときの話です。面接官の方から「あなたはやりがいとお金のどちらが大事ですか」と質問されました。私は「どちらも大事です」と答えました。面談の結果、その会社から不合格の通知を受けました。

その会社は世界的に有名な投資銀行でした。当時、この問いにどう答えることが正解だったのだろうかと少し考えたのですが、やっぱりこの会社には当時の自分は合わなかったのだと思います。

周りの候補者は「お金です」「やりがいです」と歯切れよく答えていたのを覚えています。その場でどちらかはっきりと言い切れる人が求められていたのでしょう。

自分のキャリアに具体的で鮮明なイメージを持てる場を選べているかが問われていたのかもしれません。

キャリアを歩む上で、一番避けるべきことは、他の会社に転職できない状況で、長期間過剰なストレスを我慢し続けなければいけないことだと私は考えています。

その時への備えとして、他の会社から同等水準以上の給与水準でオファーがもらえるように成果を出しながら自分を磨いておくことが究極のジョブセキュリティと言えます。

これからは人材不足があらゆる業界で問題になっていくので、人材の希少価値が上がっていきます。それは自分の意思でキャリアを歩みやすい時代になるとも言い換えられます。

長いキャリアを通じて仕事に恵まれた状態であり続けるために、私たちビジネスパーソンは何を意識して過ごしていくべきでしょうか。これから紹介する本書にはその指針が多く込められています。

 

キャリア3.0時代をどう生きるか

終身雇用が中心だった時代をキャリア1.0とすると、転職をすることが普通のことになった今はキャリア2.0です。そして転職が前提の就職となるキャリア3.0時代には、今の年収以上にキャリア上の無形の資産形成を考慮するようになっていきます。

また、複業が一般化していくと、働き方もメンバーシップ型ではなく、目的型・ジョブ型に移り変わっていきます。

個人のキャリアにおける資産の内容について本書には、自身の幸福度、持続的に通用する市場価値、将来的な経済リターンと記載があります。いずれの点も満たしていくためには、まず世の中で必要とされていくスキルについて理解しておきたいところです。

本書では2030年に必要とされるスキルベスト10が紹介されています。1位から5位を順に触れていくと、戦略的学習力、心理学、指導力、社会的洞察力、社会学・人類学となっています。

まず注目すべきは1位の戦略的学習力でしょう。これからの長いキャリアを歩んでいくためには、継続的な学習習慣が欠かせません。知的好奇心のおもむくままに学ぶというアプローチもあるでしょうし、進みたいキャリアの方向性に合わせて戦略的に学ぶようなアプローチもあります。

どちらが正解ということではありませんが、自分の興味関心に近いところから始めることにより結果として習慣化に成功している人が多いように思います。

次に、心理学や社会学のような、普段ビジネスパーソンの学びとして意識されにくいことが挙げられていることも興味深いところです。事業環境としても複雑性を増していく未来には、洞察力につながるような深い知見が求められていくということかもしれません。

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市場価値と市場環境

著者紹介

フライヤー(flier)

ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。(https://www.flierinc.com/)

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