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仕事

出世したくない若手が、40代で「できない人認定」される危険性

安達裕哉(ティネクト株式会社 代表取締役)

2023年12月18日 公開

 

ビジネスパーソンにとって「出世」とは何なのか

「会社で出世したいですか?」こう問われて、「まったく」と言う人も多いと聞く。

しかし、30代まではいいが、40代〜50代で出世できていないと、それなりにつらい。出世しなければ給料も上がらず、やりたいこともできない。「できない人」という目でまわりから見られ、存在を軽んじられるのは、プライドが深く傷つく。それは望まない人が多いだろう。

では、どうすれば出世できるか、ということについてはあまり多くが語られていない。というより、むしろ「間違ったことが語られている」と言ってもいいかもしれない。たとえばつい先日、ある上場企業で「出世するためには何が必要ですか?」と聞いたところ、一番に挙がってきたのが、「スキルアップ」だった。

そして、その中身を聞くと、「英語」や「企画力」、あるいは「プレゼンテーション力」など、スキルに関わるものがほとんどであった。他には、「上司に気に入られること」、果ては「運」と回答した方もいた。

たしかに、これらの要素は重要である。だが、経験的に皆知っているように、英語などの「スキル」は出世するかどうかの決定的な要因ではない。

「スキルをつけること」や「上司に気に入られるかどうか」に一生懸命になっても、「出世できるか」は、別の話である。

では、何がもっとも重要なのか? このことについて、ピーター・ドラッカーが的確なことを言っている。

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現実は企業ドラマとは違う。部下が無能な上司を倒し、乗り越えて地位を得るなどということは起こらない。上司が昇進できなければ、部下はその上司の後ろで立ち往生するだけである。

たとえ上司が無能や失敗のため更迭されても、有能な次席があとを継ぐことはない。外から来る者があとを継ぐ。そのうえその新しい上司は息のかかった有能な若者たちを連れてくる。したがって、優秀な上司、昇進の早い上司をもつことほど部下にとって助けとなるものはない。
(※『経営者の条件』ダイヤモンド社)
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単純化してしまえば、「上司が出世すること」が、自分が出世するための決定要因であるということだ。たとえ下げ衆で、人望がなく、部下に対して何もしない上司であっても、彼が出世できなければあなたも出世できない。サラリーマン金太郎は、会社の創業者である大和守之助が彼を引き上げた。

島耕作は、上司である中沢喜一が出世し、社長にまでなったから、自分も社長になれた。マンガはフィクションであるが、世の中の縮図である。

さて、我々はこの状態で何をすべきだろうか? さきほどのピーター・ドラッカーの引用には、続きがある。   

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部下は上司を改革したがる。有能な高級官僚は新任の閣僚に対する指南役を自任しがちである。そしてもっぱら限界を克服させようとする。しかし成果をあげる官僚は「新長官は何ができるか」を考える。そして「議会や大統領や国民との関係づくりがうまい」のであれば、そのような能力を十分に使わせるようにする。

優れた政策や行政も、政治的な手腕をもって議会や大統領に提示しなければ意味がない。しかも新閣僚は、官僚が彼を助けようとしていることを知るならば、政策や行政についての説明にも耳を傾ける。
(※『経営者の条件』ダイヤモンド社)
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上司を変えるのは簡単なことではないが、上司を助け、成果をあげさせることはできる。

「上司の強みを活かし、成果をあげさせ、出世させよ」

これが、自分が出世するためのただ1つの方法である。

 

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