おかずはご飯より少なく...『養生訓』が示した“日本人の胃腸に合う食事”
2023年12月21日 公開 2023年12月25日 更新
過ぎたるはなお及ばざるがごとし
養生を目指すなら、偏らないように食べよ。偏らないとは、過不足がないという意味だ。
食事は空腹が癒える程度でよく、食べたいだけ食べてはならない。過ぎたるはなお及ばざるがごとしというように、何ごとも過不足のないようにするのが肝心だ。
好物であっても「腹八分目」
珍しい食材や好物を出されても、少し残して八分か九分でやめるのがよい。腹一杯食べると、あとで苦労することになる。たとえ体によいといわれる食材でも、満腹になるまで食べれば病気を招く。飲食で最も重要なのは、満腹を避けることである。
食事の基本はご飯である
日本人は海外の人と比べて食べたものがもたれやすい[*]。肉は消化に時間がかかるため、ことに獣の肉を食べすぎてはならない。食事はご飯を中心にすべきであり、どんなおかずも、ご飯よりたくさん食べるのは望ましくない。
* 日本人の胃は縦に長く、胃酸が少なく、処理した食物を腸に押し出す力が弱い。じっくりこなすのに適した胃であるが、食べたものが長くとどまり、もたれやすい傾向がある。