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おかずはご飯より少なく...『養生訓』が示した“日本人の胃腸に合う食事”

貝原益軒(著),奥田昌子(編集)

2023年12月21日 公開 2023年12月25日 更新

 

薄味がよいのには理由がある

食事を薄味にすると喉が渇かず、水や茶を頻繁に飲まずに済む。水分の摂りすぎは胃酸を薄めて胃の働きを低下させるうえに、過剰な塩分は胃の粘膜を傷つける[*]。薄味がよいのはこのためである。

* 塩分を過剰に摂取すると、高血圧のほかに胃がんの発症率も高くなる。

 

日本人は海外の人と比べて胃腸が弱い

中国大陸や朝鮮半島の人は日本人より胃腸が強いので、馬、羊、犬、豚、鳥などの肉をしっかり食べても健康でいられる。日本人は穀物中心の食生活を送ってきたため、肉をたくさん食べると病気になりやすい[*]。

* 現代の研究から、この違いの背景には、胃腸の構造や機能に関する遺伝子の差があると考えられている。

 

酒は毒にも薬にもなる

酒は天からの授かりものといわれ、少し飲めば体が温まり、高ぶる気持ちを鎮め、食欲を促し、悲しみを忘れさせ、楽しい気分にしてくれる。

しかし、飲みすぎると酒ほど健康を害するものはない。用い方次第で毒にも薬にもなるという点で、酒は火や刃物に似ている。

たしなむ程度にすれば害がなく、楽しく飲めるが、酒ばかり飲んで、ご飯をあまり食べない者は寿命が短い。

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空き腹に酒を飲むな

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