株式会社バビロニア代表取締役の野田拓也氏は、40・50代から「親子副業」(親子で起業すること)に取り組むことが、しっかりとしたセカンドキャリアの構築に繋がると語ります。本稿では、「40代、50代から親子副業を始めるべき7つの理由」を紹介します。
※本稿は、野田拓也著「親子副業(R): 親のセカンドキャリアと子どもの"稼ぐ力"が手に入る」(大和出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
※文字化けを防ぐためにRマークではなく(R)と表記しています。
定年後にいきなり起業するのはリスクが高い
定年退職をきっかけに退職金を元手に起業する、そういった人のお話をよく聞きます。老後の収入のため、会社員時代ではできなかった自分のやりたいことを形にするため、そういった目的で会社を立ち上げる人が一定数いるそうです。
しかし、残念なことにそのような起業は失敗する人が多いのも事実です。
例えば、「定年したらカフェをやってみたい。コーヒーが好きで自分の店を持ってマスターとしてカウンターに立つのが夢」、そう言って退職金でテナントを借りて設備を入れる。自分好みの内装にリフォームして意気揚々とオープン。
ところが閑古鳥が鳴いて1年そこそこで閉店。退職金も使い果たして途方に暮れる......。そういったことが起こるのです。
それではなぜ、そのようなことが起こるのでしょうか? 答えは簡単です。準備を何もしてこなかったからです。好きなだけで商売ができるほど甘い世界ではないのに、なぜか上手くいくことだけを想像して商売を始めてしまうのです。
だからこそ、将来起業を考えているのなら、親子副業を40代、50代から始めるべきなのです。その年齢から準備をすることで、老後のビジネスの成功確率は上がるはずです。
40代、50代だからこそ始めるべき7つの理由
ここからは、実際に私が親子副業を実践して分かった、「40代、50代から親子副業を始めると成功確率が上がる7つの理由」をお伝えします。
【理由①】失敗できる時間がある
早く始めるということは、その分失敗できる時間があるということです。
実際に副業をすると言っても、最初から上手くいくことのほうが稀です。そもそも「自分は、何ならできるのだろうか?」とか「何をやりたいのだろうか?」とか、それすら分かっていない人が多い。つまりは試行錯誤の時間が必要ということです。
また本業の仕事があるからこそ、思考錯誤する時間的余裕があります。様々な経験をしながら、時には失敗しながら、自分がやりたいことを見つければ良いのです。このように、失敗を良い経験だとポジティブに捉えられる時間的余裕があることは、親子副業の大きな強みです。それは親だけでなく子どもにとっても同じことです。
【理由②】稼げなくても良い
一番のメリットは、稼げなくても本業の収入があるので生活に困らないという点です。もし定年後に起業すると、しばらくは収入がゼロか、年金だけになってしまいます。それでは貯金を取り崩すことになりかねません。
そうなると精神的に余裕もなくなり、気持ちばかり焦ってビジネスが上手くいかない。そうなるとさらに貯金を取り崩す......という悪循環に陥ってしまいます。
本業の収入があるうちから親子副業を始めることで、「まずは稼げなくても良い」という気楽な気持ちになれるので、腰を据えて経験を積めるのではないでしょうか。
【理由③】気力も体力もある
やはり、気力や体力の充実度は年齢で違ってきます。定年後の年齢は60代となり、体力は今より確実に落ちてしまいます。その時に一から新しいことを始めるのは大変です。しかも、ビジネスの第一線から退いて気力も衰えていたら尚更です。今は忙しいかもしれませんが、その分気力は充実しているでしょう。
本業をしながらの副業は確かに大変なこともありますが、気力や体力がある元気なうちに始めることで、良いスタートダッシュが切れるはずです。
【理由④】これまでの経験が活かせる
ここまで読んで、「だったら、20代のもっと若いうちから始めれば良いのでは?」と思われたかもしれません。それでも、20代にはない、40代、50代ならではの成功確率が上がる理由があるのです。それが、長年培ってきた経験です。
1つのことを10年、20年と続けていれば、自然とその道のプロになっています。また、いろいろな業種や職種を経験していれば、若い人では難しい、幅広い知識や経験を積めているはずです。
「いやいや、長くやっているだけで、そんなにたいした経験はしていない」そう思った方もいるのではないでしょうか?
あなたにとってはたいした経験ではなかったとしても、他の人や異なる業界にとっては、貴重な経験と捉えられることは当たり前のようにあります。少なくともそれだけの時間を積み重ねてきた事実は確かなものです。自信を持ってください。
【理由⑤】これまでの人脈が活かせる
副業を始めるにあたって最も大事な資源は「人脈」です。長く会社員をやっていると、勤務先や取引先で様々な人との繋がりができます。そういった人脈を使えるようになるのは大きな強みです。
20代の頃の人脈では同世代の若手が多くなりますが、40代、50代にもなると相手もそれなりのポジションに就いています。会社で決裁権を持っている、影響力を持っている、そういう方の力を借りましょう。
また、勤務先関係だけではなく、子ども関係の繋がりにも注目です。子どものママ友やパパ友があなたの力になってくれる可能性も十分ありえます。
【理由⑥】子どもが相応の年齢に達している
親子副業において子どもの年齢は重要で、さすがに小学生未満の未就学児では難しいです。小学生になれば一緒にできることが少しずつ増えていきますが、欲を言えば小学生の高学年くらいからが子どもの理想の年齢です。
年齢が上がるほど本格的な活動ができるようになります。そういう意味では、親が40代、50代くらいになると子どもも中学生や高校生になるので、文字通り二人三脚で副業に取り組めるのです。
もちろん小学校の低学年でも無理という訳ではありません。親が上手くリードしてあげれば、10歳に満たなくても一緒に副業はできるのです。
【理由⑦】投資で資産を増やせる
親子副業が軌道に乗ったら、ゆくゆくは投資で資産を増やせる可能性があります。利益をただ貯めておくのではなく、投資に回せたら良いと考えています。
もし毎年100万円の利益が出せるようになれば、5年で500万円です。例えばこれを使って不動産投資で家賃収入を得る。そんなことも可能です。そのためには、資金を蓄えられる時間も必要になってきます。もちろん不動産投資をするには勉強が必要ですが、早くから始めればそういった時間も作れるでしょう。
また、親子副業で作った会社で不動産を所有すれば、法人税だけでなく、親から子への相続税など、節税対策ができるのです。
これらの理由を知れば、なぜ私が40代、50代のうちから親子副業を始めるべきだと力説するのか、ご理解いただけたかと思います。