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いつも「結果が出せる人」の仕事術

本田有明(本田コンサルタント事務所代表)

2011年01月25日 公開 2023年01月12日 更新

いつも「結果が出せる人」の仕事術

仕事において「できる人」とはどのような人を指しているか――本田有明氏は「結果を出す人」だと語る。そしてそのためには段階を踏んで成長すべきだという。本稿では同氏が結果を出すために必要なセオリーを4つの段階に分けて解説する。

※本稿は、本田有明著『いつも「結果が出せる人」の仕事術』より一部抜粋・編集したものです。

 

「結果が出せる人」にはセオリーがある

いつも「結果が出せる人」の仕事術 「できる人・できない人」という表現が、このところブームになっています。「あなたはどちらになりたいですか」と聞かれたら、誰もが"できる人"と答えるでしょう。では、あなたにとって"できる人"とは、どんなイメージでしょうか。
(1)ひとりで何でもこなせる器用な人
(2)ライバルを蹴落として出世する人
(3)期待された以上の結果が出せる人
(4)周囲からリーダーと認められる人

もし(1)だとすれば、たいていの人は"できない人"ということになります。あれもこれも器用にこなせるのは一種の才能ですが、この才能をたっぷり持ち合わせている人はめったにいません。中途半端なレベルであれば、単なる器用貧乏で終わります。

(2)を連想する人も少なくないと思います。しかしこれをめざそうとしたら、たぶん失敗するでしょう。ライバルを蹴落として出世するというのは、表現そのものが間違っているのです。

意外に思われるかもしれませんが、めざましい出世を遂げる人のなかに、ライバルを蹴落とすことに熱心な人はあまりいません。自分の仕事に集中し成果をあげるうちに、結果としてライバルと差がつくのであって、自分の仕事よりライバルの動向が気になるようでは本末転倒というもの、たいした仕事はできません。

私はこれまで大勢の「できる人・できない人」を見てきました。その体験からいえば、"できる人"とは端的に「結果が出せる人」のことです。今風にいえばハイパフォーマー。そこには一種のセオリーがあって、"できる人"のほとんどは自然にそのセオリーを体得しています。

はじめから"できる人"も稀にいますが、多くは短期間のうちに"できる人=結果が出せる人"に成長してゆくといったほうが実態に近いようです。

では、「結果が出せる人」になるセオリーとはどういうものでしょうか。それを解明するために、順を追って100項目、初級から超級まで4つのレベルに分けて語ってみることにしました。

 

自分を大きく育てる「4つの段階」

第一に、人から貧欲に学ぼうとすること。これが初級です。世の中には経験が乏しいうちから「自分流」にこだわる人がいますが、大成する見込みは薄いと言わざるをえません。「自己流」を打ち出せるのは、ひととおり仕事の基本を身につけ、中級から上級に至ってからのこと。

ハイパフォーマー(大きな成果を出す人)になりたければ、現実のハイパフォーマーから学ぶのが効率的であり、いちばんの近道です。新しい経営技法として話題になったコンピテンシーマネジメントは、これを体系化して組織ぐるみで取り組もうとするものです。

第二に、自分を振り返りながら、プラス思考に徹すること。これが中級です。努力に努力を重ねても、なかなか結果が出ないという状況はどんな人にも訪れます。そこで腐ってしまうか、図太くチャレンジを続けるかが成否の分かれ目です。要は、一喜一憂することなく、タフにねばり抜くことです。

第三に、まわりの人を動かすこと。これが上級です。組織のなかで大きく頭角を現す条件は、なんといってもリーダーシップを発揮することです。このレベルになると、個人的な能力などあって当たり前。

それを前提としたうえで、どれほど人を、共感とともに動かすことができるかが問われるようになります。古い言葉でいえば「人徳」の要因が上級には求められるということです。この段階の"できる人"は、さきにあげた「周囲からリーダーと認められる人」でなければなりません。

第四は、上級をもうひとつ超えたレベル、つまり超級です。人を動かすだけでなく、自在に活かし導くことができる人、何をやってもうまくゆく人です。

こういうと絵空事みたいな感じですが、まさに、そこまで突き抜けてこその超級なのです。自分が花を咲かせるだけでなく、まわりにも花をもたらすことが、このクラスの条件になります。

仕事人として大きな目標をもちたいと思うなら、ここまでめざすことだってできるという遠大な目標を掲げてみました。読者のなかから、「おもしろい。やってやろうじゃないか」と目を輝かせる気鋭の人が数多く輩出することを願ってやみません。

 

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本田有明(ほんだ・ありあけ)
1952年、兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学哲学科卒業後、(社)日本能率協会に勤務する。経営事業本部、情報開発本部などに所属し、部長職を務める。1996年に人事教育コンサルタントとして独立。主に経営教育、能力開発の分野でコンサルティング、講演、執筆活動に従事している。
著書に『若者が3年で辞めない会社の法則』『本番に強い人、弱い人』(PHP新書)『いつも「結果が出せる人」の仕事術』 『20代これだけはやっておきたい50のポイント』(PHP文庫)『最後の卒業生』『ヘタな人生論より葉隠』(河出書房新社)『一冊で人生論の名著を読む』『上司の風上に置けない人々』(中経出版)などがある。

 

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