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「気が乗らない誘い」はどう断る? 友人と心地いい関係が続く伝え方

時田ひさ子(HSS型HSP専門心理カウンセラー)

2025年05月07日 公開

「気が乗らない誘い」はどう断る? 友人と心地いい関係が続く伝え方

「友だちからの久しぶりの誘い」「友だちからのすすめ」どうも気が乗らなくて断りたい...。そんなときは、どのように対処したらいいのでしょうか? お人好しさんのための上手な断り方について、書籍『つい他人を優先してしまう お人好しさんのためのじょうずな断り方』より紹介します。

※本稿は、時田ひさ子著『つい他人を優先してしまう お人好しさんのためのじょうずな断り方』(PHP研究所)を一部抜粋・編集したものです。

 

友だちとの関係をさらによくする断り方

お人好しさんたちにとって、たとえ相手が長い付き合いの友だちであったとしても、雑に扱うのはとても気が引けるでしょう。あえて意識はしていなくても、常にどこかで少しだけ気を遣ってしまっているのではないでしょうか?

そしてそんなみなさんは、友だちともめることをとても嫌う特徴があります。

二人の間に、実際にはもめるようなことが起きていたとしても、争いにならないよう、気を回しているのです。
だからそういう人たちは、相手の誘いや提案にあまり気が乗らなかったとしても、断ることで関係や空気が悪くなるくらいなら、と我慢してしまいがちです。

「相手が喜んでくれている顔を見ると、自分も幸せに感じる」し、「誰かに期待されたら120%で応えたい」ので「そのために、ちょっと無理するのもあり」と考えて、自分の都合よりも、相手の希望を優先してしまうのです。

それは素敵な考え方ですし、きっとそういう人は、周りの人たちからの評価も「いい人」で通っていると思います。

でも、こうした友人関係を続けていると、こんなことを思ってしまうことはありませんか? 「私ばっかり気を遣ってる!」「友だちにも、もう少し配慮をしてほしい!」と。

自分が気を遣っていると、無意識に相手にも同じものを求めたくなります。これは、あなたの性格が悪いからではありません。人間だから当たり前です。

でもあなたはきっと、そのイライラを抑えながら、「うん、いいよ」と言ってしまっているのではないでしょうか。もしかしたらそれを超えて、「この関係、いつまで続くんだろう」とうんざりしてしまっているかもしれません。

そんな関係、大変じゃないですか? もっと楽に、友だちと楽しい時間を過ごしたくないですか?

時には自分の気持ちに従って、断ることがあってもいいんです。これまでの付き合いの中で断っていなかった分、今さら断るなんてできそうもないな、と少し憂鬱になるかもしれませんが、大丈夫です。本稿では、そんな人たちに向けた角の立たない断り方もご紹介していきます。

 

友だちからの久しぶりの誘いを断る

●友だちから久しぶりに遊びの連絡がきたけど、あまり気が乗らない!

――こんど、久しぶりに遊びに行かない?

①【肯定】(クッション言葉)わ! 久しぶりだね! 元気にしてた? 遊びもいいね、久しぶりだし

②【現状・事実】ただ、今の会社が家から遠くて通勤時間が長いから

③【譲歩】1時間くらいだけでもいいかな?

\いい人ポイント/
初手で、連絡をくれたことに対しての喜びを伝えることで、自分の妥協案を相手に受け入れてもらいやすい状況が作れる!

 

久しぶりに友だちから連絡がきた場合、それが遊びであってもご飯であっても、何だか気が乗らないなあ、ってことがみなさんにもあるのではないでしょうか? もちろん連絡がくるのは嬉しいんだけど、なんか少し様子を見たいような感覚です。

そんな時は、まず初手のクッション言葉として、連絡がきた嬉しさを出すのがおすすめです。

「久しぶりに話す嬉しさ」を伝えることで、相手も喜んでくれていることに嬉しくなって、断る理由に目が向きづらくなるからです。さらに、このクッション言葉を使うことにより、あとに続く会話を近況報告にすり替えていくこともできます。

また、あまり連絡をとっていなかった友だちから急に連絡があった場合、宗教やマルチ商法に誘われる可能性があることも、考慮しておくべきです。

相手によるかとは思いますが、少しでもそうした危険性がありそうならば、「久しぶりに友だちから連絡があると嬉しいね。あ、でも、アレとかじゃないよね?」と、ちょっとぼかして茶化しながら、危険性に気づいていることを匂わせておくといいでしょう。

ぼやかすことで、ダイレクトな会話になりづらく、やんわりと「そういうお誘いを受けるのなら会うのは断りたい」という姿勢が伝わります。

勧誘の会話になってしまった場合は他にも、「両親から絶対ダメって言われてるから」とか「夫がそういうことにとても抵抗がある人で」のように、目の前でまさに勧誘しようとしてきている相手と関係のない人物を引き合いに出すというのも、さらりと断れるのでおすすめです。

実は私は、こうした勧誘をされることがとても多く、かつては、とある教団の導入ビデオを見るところまでいってしまったことがあります。

ですが、最近は断るのが得意になってきたので、そうした事態も未然に防げています。

つい最近「お茶に行きませんか?」と、久しぶりに連絡がきた友だちから誘われたのですが、その人が宗教の勧誘をしているという噂を聞いたことがあったので、「もしかして、私は何かに誘われる可能性がありますか?」と、誘われた時点で尋ねました。

その時はチャット上でのやり取りだったのですが、しばらく間があってから、「はい」という回答が返ってきたので、「そうでしたか。それではお茶にご一緒しても無駄足になってしまうと思われます」とお伝えして、お断りしました。

このように、友だちからの誘いを断るってすごく勇気のいることではありますが、そうすることで、自分を守ることもできるのだと、ぜひ覚えておいていただければと思います。

 

友だちからの勘違いを断る

●友だちに見当違いな決めつけをされた!

――つまりあなたは、Aさんのことをうらやましいと思ってるんだね

①【肯定】うらやましい? ああ、そうだね

②【現状・事実】こうやって話すと、うらやましいと思ってるように見られちゃうんだね。うーん、ああなりたいとはあんまり思ってないかなぁ

③【譲歩】でもそう見えたってことは、自分でも気づいてないところで、そういう部分を持ってるかもしれないよね

\いい人ポイント/
相手の決めつけを否定せず、「そう見えてしまうのか」と見え方のせいにすれば、誰も傷つけない断り方ができる!

 

相手に見当違いな決めつけをされたことはありますか?

もう二度と関わらないような人だったらそのまま流してもいいかもしれませんが、まだ何度か関わる予定やつもりがある人だったら、そうやって勘違いされたままの状態で関係を続けていくのは、あなたのストレスになるかもしれません。

訂正をするって、優しすぎる人にはすごく難しいことだと思いますが、自分を守るためにも、ここは相手の勘違いをしっかり断っておく必要があります。

そしてこの場合、必死になって否定したくなるとは思いますが、否定すればするほど「やっぱりうらやましいんだよね?」と、相手がヒートアップする可能性が高くなります。

なのでこの場合は、相手の言ったことを全面的に訂正するのではなく、部分的に訂正するのがおすすめです。

②でちゃんと否定したあとに、フォローとして「相手はうらやましいという気持ちがあることを、私に認めさせたい」という、決めつけてきた相手の思惑をオウム返しするようにしましょう。そうすれば、相手の対抗心を燃やさずに訂正できます。

 

友だちからのすすめを断る

●友だちから悩みを相談するよう促されたが、今はまだしたくない!

――何か悩みがあるなら話してみなよ

①【肯定】そうだね。話したら楽になるかも、だよね

②【現状・事実】いつも自分で解決したいって思っちゃいがちなんだ。よくない癖だよね

③【譲歩】でも今はまだ、話さないほうがいい気がするんだ。次会った時にはきっと話せると思うから、その時でもいい?

\いい人ポイント/
自分の「よくない癖」という言い方をすることで、相手を嫌な気持ちにさせずに断れる!

 

こういう、相手の優しさからの提案だからこそ断りづらい......けど誰にも話したくない、話せない悩みを抱えている時ってすごく困りますよね。でもこういう時もやっぱり、あなたが話したくないと思っている気持ちを優先するのが大切です。

まずは①で肯定したあと、②で相手との距離を取るために事情を話します。もちろん、本当の理由を言う必要はありません。相手を傷つけない適度な理由を伝えます。

この時、自分に非があるように伝えると、相手は聞き入れやすくなるので、例文の言葉をそのまま使うのがおすすめです。このセリフを言うだけなら、相手に嘘をついてしまっているという罪悪感を抱かなくて済みますしね。

次に③では、時間を稼ぐ提案をするのがおすすめです。その間にあなたの考えが変わって相談したくなったり、相手も相談を促さなくなったりするかもしれないからです。

そして次に会う時にも言いたくなかったら、「まだ話せそうにないんだよね」で大丈夫です。それでも相手が話させようとしてくるのなら、関係に一線を引いてしまってもいいと思います。あなたのことをわかってくれる人は他にもたくさんいますからね。

 

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