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【 JAL再建 】フィロソフィで会社は甦る

2012年10月22日 公開

稲盛和夫(京セラ名誉会長、日本航空名誉会長)

※本稿は、稲盛和夫著『[新版・敬天愛人]ゼロからの挑戦』(PHPビジネス新書)より一部を抜粋編集したものです。
 

JALの再建、3つの大義

2010年2月、私は80歳を前にして、日本政府の要請を受け、倒産した日本航空(JAL)の会長に就任した。

これまで、京セラとKDDIという、2つの異なった業種の会社を創業し、両社合わせて売り上げ5兆円規模にまで成長発展させてきた経験はあった。

しかし航空運輸事業についてはまったくの門外漢。そのため、JAL会長に就任することに、誰一人として賛成してくれる者はいなかった。「もうお歳なのだから、おやめになったほうがいいですよ」という助言をいただくばかりであった。

しかし、私はJALの再建には、3つの大きな意義、大義があると考えていた。

1点目は、日本経済への影響。

JALは日本を代表する企業の1つである。そのJALが再建を果たせず、二次破綻でもすれば、日本経済に多大な影響を与える。

一方、再建を成功させれば、「あのJALでさえ再建できたのだから、日本経済が再生できないはずはない」と、国民が自信を取り戻すきっかけになるだろうと考えた。

2点目は、JALに残された社員たちの雇用を守ること。

再建を成功させるためには、残念ながら、一定の社員に職場を離れてもらう必要があった。しかし、二次破綻しようものなら、全員が職を失ってしまうことにもなる。何としても残った社員の雇用だけは守らなくてはならない、と考えた。

3点目は、国民、すなわち利用者の方々への責任。

もしJALが破綻してしまえば、日本国内での大手航空会社は1社だけとなり、競争原理が働かなくなってしまう。運賃は高止まりし、サービスも悪化してしまうだろう。

それは決して国民のためにならない。公正な競争条件のもとで、複数の航空会社が切磋琢磨する中でこそ、利用者に対して、より安価でより良いサービスを提供できるはずである。

このような3つの大義があると考え、いわば義侠心のような思いが募り、身のほど知らずにも、会長としてJAL再建に全力を尽くそうと決意したのである。

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