稲盛和夫氏が説く、成功するために最も大事なこと
2019年02月22日 公開 2024年12月16日 更新
<<リーダー向けのビジネス書は、毎月のように刊行され、どの書店にもコーナーがつくられている。読者の興味をそそるコピーが所狭ましと並ぶ、その書棚をよく眺めてみると、2人の経営者の本が、定番的に陳列されていることに気づくことだろう。
1人は、パナソニック創業者・松下幸之助氏(故人)。もう1人が、京セラ名誉会長の稲盛和夫氏である。
その稲盛氏が、自身の経営哲学「京セラフィロソフィ」において、最も根幹においていることが「誰にも負けない努力をする」ことだという。本稿では、「誰にも負けない努力」を払う組織をつくり、素晴らしい成果を得る上で、有益な示唆を与えてくれる稲盛氏の講話の一部を紹介する。>>
※本記事は、稲盛和夫[述]・稲盛ライブラリー[編]『誰にも負けない努力』(PHP研究所)に収録された計43話の中の1話(2008年7月17日 「盛和塾」第16回全国大会での講話)を抜粋・編集したものです。
素晴らしい経営をする、素晴らしい人生を生きる
企業経営をしていく中で一番大事なのは、「誰にも負けない努力をする」ことだろうと思います。言葉をかえれば、一生懸命に毎日働くということが会社経営で最も大事なことだと思っています。
また、幸せに、素晴らしい人生を生きたいと思うならば、毎日真剣に働くことが大切です。つまり、素晴らしい企業経営をするにしても、素晴らしい人生を生きるにしても、誰にも負けない努力をする。このことを除いては、会社経営の成功も人生の成功もありえないと思っています。
一生懸命に働くことを忌み嫌い、少しでもラクをしようと思うならば、会社経営はもちろんのこと、素晴らしい人生も得ることはできません。
極端にいえば、一生懸命に働きさえすれば、経営は順調にいくのだと思います。どんな不況がこようとも、どんな時代になろうとも、一生懸命に働きさえすれば、十分にそれらを乗り切っていけると思っています。
経営をするには経営戦略が大事だ、経営戦術が大事だと一般にはいわれていますが、一生懸命に働くということ以外に成功する道はないと思っています。
振り返ってみれば、27歳で京セラという会社をつくっていただき、以来、経営の道へと入ったわけですが、経営のケの字も知らなかった私は、会社を潰してはいかん、私を支援して会社をつくっていただいた方々に迷惑をかけてはならんというただその一念で、必死になって働いてきました。
朝早くから夜は一時、二時まで働いていました。それを連日のように繰り返し、誰にも負けない努力を重ねてきたわけです。