「一生治らない」「一生苦しむんだ」
中学生で統合失調症を発症した だいだいさんは絶望的な気分になり、何度も「死にたい」と考えたそうです。
それでも「もうこの病から逃げられることはない」「この病と上手につきあっていくほかに、生きていくことはできない」と考え、自らの病気からくるつらい症状をうまく解消する方法を探し始めました。
そして、生み出した300以上の解消法の中から、効果の高かった100個を精神科医の樺沢紫苑先生の監修のもと『生きづらさを解消する方法を100通り試してみた。』として書籍にまとめられました。
本稿では、その100個の解消法の中から「43.マイストーリー作成」と「54.ゴミ工作」について解説頂きます。
※本記事は、だいだい著,樺沢紫苑監修『生きづらさを解消する方法を100通り試してみた。』(総合法令出版)の一部を再編集したものです
マイストーリー制作

生きづらさを抱えて生きてきたわたしは、「自分の人生って本当にひどいものだ」と思い込んでいました。しかし、自分の人生を一つの物語として考え直すと「意外と波乱万丈な面白いストーリーなのではないか?」と思えてきました。
自分の人生を物語形式で文章化すると、自分を肯定するきっかけにつながります。この解消法は大変な面もありますが、試してみると意外な気づきや効果があります。
【やり方】
1.自分が今感じている生きづらさの理由を書き出す
その生きづらさは今感じているものなのか、過去のものなのかを確認してください。
2.その生きづらさを感じるきっかけ、出来事を書き出す
人生の転機になった瞬間を思い出してください。
3.人生でどんな壁にぶつかり、どう乗り越えたかを思い出して書き出す
4.つらかった時期を思い出し、その経験から得たものは何かを考えてみる
5.つらかった時期の自分と今の自分を比べて、どう変化したか確認する
「前より打たれ強くなった」など、成長しているかを振り返りましょう。
6.今までの物語を元に、これからどんな人生を生きたいか考える
ちょっと先の未来を楽しく想像します。
【発展・応用】
「マイストーリー」を誰かに見せる必要はありません。ただ、信頼できる人に見せると、相手との信頼関係がより深くなる可能性があります。
【効能】
1.自己理解が深まる
過去の経験を物語にすることで、生きづらさを感じている原因が明確になります。生きづらさの原因がわかれば、対処の仕方も見えてくるでしょう。
2.困難を意味あるものに変えられる
生きづらさを感じるのは、自分がどうして理不尽な目に遭うのかという疑問や、過去のつらい経験を自分の中で納得できていないことが原因です。自分の人生を物語として書き出してみることで、今まで抱えてきた生きづらさにも意味があったのではないかと考え直すことができます。
3.新しいストーリー(未来)をデザインできる
過去や現在の自分の生きづらさが整理できると、自然と未来に意識が向きます。過去や現在に少しでも落とし前をつけることで前向きな気分になれるでしょう。
【アドバイス】
この解消法は過去のつらい経験を掘り起こすので、作業中に気分が悪くなるかもしれません。途中で「なんか嫌だな」と感じたら、作業を放り出して気分転換したり、休んだりして構いません。
また、自分の物語を書いてみても、決して他の誰かと比べるようなことはしないでください。他人と比べて「自分の物語なんてたいしたことがない」と考えるのは無意味です。人それぞれに違った物語があるだけ。気にしないようにしましょう。
ゴミ工作

わたしは自分自身に価値を感じられなくなったり、何か目の前のことから逃げたくなったりしたら、「ゴミ」を集めて「作品」を作るようにしています。
捨てられていたゴミでも、作品として新たな価値を見いだせるのですから、それを作った自分にも価値があると思えるようになるからです。
素材は捨てられたもの、要らなくなったものを再利用するのでお金もそんなにかかりません。気楽に切ったり、貼ったりすることができるのでとても扱いやすいです。
【やり方】
1.工作に役立ちそうな普段捨てているものを集める
2.その集めたゴミを見て何か作れないか検討する
もし、イメージが湧かない場合はインターネットなどで検索してみるのもいいでしょう。
3.実際に手を動かして作品を作ってみる
4.何度も試行錯誤して、納得のいくものに仕上げる
【発展・応用】
作成した作品は部屋に飾り、SNS などに投稿してみてください。誰かの目に留まり、「すごい」「いいね」と評価されることがあります。そういった反応は自己肯定感を向上させてくれるでしょう。
【効能】
1.物事をさまざまな角度から見る練習になる
ゴミ工作を行う秘訣は「このゴミをどう使えば作品になるか」というアイデアを考えることにあります。意外な使い道を発見したら、「自分ってこんなことも考えられるんだ!」と自分の創造性に自信を持つことができるでしょう。いろいろな角度から考えを深めてみてください。
2.作業に没頭できる
ゴミを作品に変える作業は、意外と楽しくてワクワクします。このゴミをいかに自分の思った通りの形にしていくのか。その試行錯誤に没頭するうちにそれまで思い悩んでいたことなど忘れていきます。とてもいい現実逃避になるでしょう。
3.どんなものでも、使い方次第で役に立つと実感できる
自責の念を抱え「自分にはなんの価値もないゴミだ」と思い込んでいるときにゴミ工作を行うと、「ゴミにも使い道がある」と気づけるでしょう。世の中どんなものにも価値はあります。それを生かすも殺すもあなた次第です。
【アドバイス】
ゴミを集めるときも、工作中もケガをしないように気をつけてください。また、ゴミについている汚れなどはきれいにしてから使いましょう。衛生面にも気を使ってください。







