「一生治らない」「一生苦しむんだ」
中学生で統合失調症を発症した だいだいさんは絶望的な気分になり、何度も「死にたい」と考えたそうです。
それでも「もうこの病から逃げられることはない」「この病と上手につきあっていくほかに、生きていくことはできない」と考え、自らの病気からくるつらい症状をうまく解消する方法を探し始めました。
そして、生み出した300以上の解消法の中から、効果の高かった100個を精神科医の樺沢紫苑先生の監修のもと『生きづらさを解消する方法を100通り試してみた。』として書籍にまとめられました。
本稿では、その100個の解消法の中から「76.雲観瞑想」と「89.相談」について解説頂きます。
※本記事は、だいだい著,樺沢紫苑監修『生きづらさを解消する方法を100通り試してみた。』(総合法令出版)の一部を再編集したものです
雲観瞑想

これは、わたしが温泉に入りながら空を見上げたときに気づいた解消法です。
雲の形は変幻自在。どんな形にも見えます。わたしがそのとき見た雲は「馬」に見えました。今でもなぜ馬に見えたのかは謎ですが、空を駆ける馬のような雲から人生に疲れ気味だったわたしへ「もっと駆け抜けてみろよ」というメッセージに思えました。
雲の形に意味があるわけないのに、そこに自分の心境に合った意味を見いだすのはなかなか面白いものです。あなたは雲を見て、何を感じますか? 何を想像しますか?
【やり方】
1.深呼吸してリラックスする
2.空を見上げる
青空に浮かぶ雲を一つ見つけましょう。雲は、部屋の窓やベランダ、道端でも見つけられます。露天風呂や旅行先など、リラックスした状態で見るのもいいでしょう。
3.雲の形を見て「何に似ているか」や「どんなものに見えるか」を自由に想像してみる
長い雲ならヘビ、丸い雲は綿あめ......など、なんでも構いません。
4.思う存分想像したら、現実に戻る
【発展・応用】
雲の形は時間の経過とともに変化します。「最初は馬に見えたけど、だんだんヘビに見えてきたな。あ、あれはトグロを巻いているな」というふうにストーリーを生み出すこともできます。
【効能】
1.気持ちが穏やかになる
形を変えながら流れていく雲を眺めているうちに、気持ちが穏やかになっていきます。自然の雄大さを感じることも、心を穏やかにする過程で大切です。
また、青空を眺めると、幸福物質「セロトニン」が活性化するそうです。雲を見れば、自然と青空が目に入ってくるでしょう。
2.意識の切り替えになる
雲からさまざまなものを連想すると、意識を自然と「今」に向けることができるでしょう。そのとき、過去の後悔や将来の不安を考えることはありません。
【アドバイス】
天気が悪いときはこの解消法は使えません。しかし、お湯を沸かしたときに出る「湯気」や川の流れ、水たまり、葉の形など、いつもは見逃してしまいがちな自然現象を観察することで、同じような効果を得ることが可能です。
相談

わたしが、つらい感情を一人で抱えているときは、誰かに相談することで解消しています。
信頼できる人(家族や友人、カウンセラーなど)に自分がどんなことで苦しんでいるのか、相談してみましょう。はじめはうまく言葉にできなくても、回数をこなすと自分の言葉を相手に伝えられるようになります。相談できる環境があるようになると心が軽くなりますよ。
【やり方】
1.信頼できる人を見つける
自分の内面を伝えても他の人に漏らさない、モラルがある「信頼できる人」を選んでください。
2.「ちょっと話を聞いてほしい」と伝える
相手の迷惑にならないよう、相談したいことと時間を設けてほしい旨を事前に伝えます。
3.最初は雑談を交えながら自分の相談したいことを伝える
なかなか本題に入るのが難しいときは、少し雑談して場を温めてから相談をしましょう。
4.相手からのアドバイスをメモに残す
相談していると相手からアドバイスや気づきを得ることがあります。つらい状態で話を聞いていると、アドバイスを忘れてしまいやすいので、大事なことはすぐにメモしましょう。
5.アドバイスを実行できたら「結果」を相手に報告する
もし、相手から「〇〇したらどう?」といったアドバイスをもらったなら、それを素直に実行してみます。実行した結果を相手に報告することで、相手からさらにいいアドバイスがもらえるきっかけになるでしょう。
【発展・応用】
もし、あなたが生きづらさに振り回されることがなくなったときは、誰かの相談に乗ってみてください。
生きづらさを解消した経験をもとに苦しんでいる人の話を聞いてあげるのです。相手から感謝され、あなた自身も気づきがあります。話を聞いてあげるだけで救われる人がいますよ。
【効能】
1.心のガス抜きになる
誰かに自分の悩みや苦しみを伝えると、気持ちが不思議と軽くなります。心の中にたまったガスが抜けていくようなイメージです。心のガスはためておくといつ爆発するかわかりません。適度に信頼できる人に相談してガスを抜きましょう。
2.思考を整理できる
相談をするとき、自分の考えを言葉にする必要があります。頭の中を言語化することが自分の気持ちを整理するのに役立つのです。例えば「すごく嫌なことがあり怒りを感じた」としたら、言葉にしていくうちに「なぜ自分は怒っているのか」「どうすれば怒りを解消できるのか」といった理由や方法が見えてきます。
相談相手に話を聞いてもらうだけでも効果があるでしょう。
【アドバイス】
相談するのは相手に迷惑なんじゃないかと悩むかもしれませんが、信頼している人に相談すると、意外にもお互いの信頼感がアップすることがあります。お互いの心の奥に秘めていることを話すことで仲良くなれる場合もあるのです。







