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ロザン菅広文さん「相談はコミュニケーションではない」 その真意と、相談を力に変える方法

菅広文(ロザン・お笑い芸人)

2025年12月30日 公開

ロザン菅広文さん「相談はコミュニケーションではない」 その真意と、相談を力に変える方法

悩みを抱えているとき、信頼できる誰かに相談した経験が一度はあると思います。しかしお笑いコンビ・ロザンの菅広文さんは「相談するなら、相手に言われたことを"やる"と決めたほうがいい」と話します。なぜ、そのような確固たる姿勢が大事なのでしょうか。12月に新刊『学力よりコミュ力』を刊行した菅さんに、その理由をうかがいました。

 

"相談したら必ずやる"と決めておく

――本の中で「未完成の部分こそ利用すべき」と書かれていましたよね。確かに、未完成な部分って周囲が"応援したくなるポイント"になると感じます。これは、"未完成な部分を受け入れる"という意味でしょうか。

【菅】その逆で、未完成であることを"許容"するべきではないんですよ。

未完成であることを嫌がっているほうがいい。未完成のものを「ああ、これでいいや」と受け入れると、それはもう完成に近づいてしまうんですよ。
それって応援ポイントにならない。
未完成の部分を「嫌やな」「うまくできへんな」と思っている姿のほうが、僕は人から応援されると思っていて。それでいいんじゃないですかね。

――悩んでいる様子そのものが、むしろ応援される。

【菅】「私、未完成やねん」「全然いいやん」と言う人って、あまり助けたいと思わへんでしょう。
「これ、できへんねん。でも、あかんあかん、できるようになりたいわ」という姿勢のほうが、応援したくなると思うんですよ。

――ということは、その悩みは表に出していくべきなんでしょうか。

【菅】いいんじゃないですかね。上司に相談するとかも全然ありやと思いますし。
ただ、相談したら、絶対に"言われたことをやる"と決めたほうがいい。

――それはどうしてですか?

【菅】相談して「こうしたほうがええんちゃう?」と言われたのにやらない人は、応援されなくなるんですよ。
で、その通りにやってみて成功したら、それはもちろんいい。失敗しても、その人は絶対にもう一回助けてくれるんです。

でも、自分勝手なやり方で成功すると孤立していく。
だから"相談したら必ずやる"。これは決めておいたほうがいいと思いますね。

――結果につながらなくても、まずはアドバイスを行動に移すことが大事だと。

【菅】そう思います。
逆に言うと、すでに「こうしたい」と決めていることは相談しないほうがいい。

自分の中に答えがあって相談した場合、相手が違う意見をくれても、結局自分の決めたことをやるじゃないですか。それはやめたほうがいい。
「何がなんでも人に相談する」という姿勢が、かえって軋轢を生むんですよ。それは僕はコミュ力とは思わないです。

――たまに、自分の気持ちを確かめるために相談する人もいますよね。

【菅】いますよね。「こういう仕事しようと思うんですけど、どう思います?」とか。
いやいや、もうやるって決めてるやん、と。
そうじゃなくて、根本から相談したほうがいい。

たとえば、後輩に「住みます芸人をやることになったんですけど、どうしたら成功しますか?」って相談されたんですよ。
いやいや、ちょっと待て、と。「住みます芸人をやるかどうか」から相談してこいと。
すでに決めてしまっていると、僕の答えは"ベター"にしかならないんです。"ベスト"は出せない。

――大きな決断をしたあとに相談すると、良い助言は引き出しにくい。

【菅】そうなんですよ。
この人と結婚するって決めたあとに、「どう生活したらいいですか?」なんて相談しないでしょ?

――確かに聞いたことないです(笑)。

【菅】でも、意外といるんですよ。
これ、ちょっと言い方あれですけど......失敗する人の典型だと思います。
"大きいことは自分で決めて、小さいことだけ人に相談する"。

それで決めたあとに悩み出すんです。
もし「自分は今あんまりうまくいってないな」と思うなら、根本から誰かに相談したほうがいい。

うまくいってない人って、自分でやりたいことを勝手に決めてから相談するんですよ。でも、それだと絶対にズレる。
"丸投げする覚悟"があるかどうか。それが大事なんです。

 

「会議はあまりいい効果を生まない」と考える理由

ロザン菅広文

――菅さんにとって、相談はかなり重たい行為なんですね。相手に"重いボール"を投げるといいますか...。

【菅】事と場合によりますけどね。でも本来、相談って覚悟がいるものやと思います。
だから、相談をコミュニケーションの手段として使うのは、あんまりいい方法じゃない。

――「何でも相談するほうがコミュニケーションになる」と考える人は多いと思います。

【菅】いますよね。
でも、いろんな人に相談すると、逆に答えを決められなくなることもある。
本の中にも書きましたけど、人の意見を聞きすぎると、角が取れて丸くて平凡な結論になってしまう。

だから会議も、僕はあまり良い効果を生まないと思っていて。

――「長いだけの会議」、多いですよね。

【菅】会議をどう進めるべきかという話で言うと、"意思決定をする人を決める"。
リーダーを決めて、その人が決める。成功しても失敗しても、その人が責任を取る。

本来、それで十分なんですよ。
みんなで決めようとするから決まらないし、誰も責任を取らない。

"決める人"を先に決めたほうが早いですよ。
部長だから、上司だから、ではなく、「今回の会議はこの人が決める」でいい。
それだけで時間はめちゃくちゃ短くなると思います。

――確かに、それなら会社でも取り入れやすいかもしれません。

【菅】そうでしょ。決める側もめちゃくちゃ真剣になりますし、責任の所在も明確だから、全体が良い方向にいく気がします。

(取材・編集:PHPオンライン編集部 片平奈々子)

プロフィール

菅広文(すが・ひろふみ)

ロザン・お笑い芸人

1976年、大阪府生まれ。大阪府立大学(現大阪公立大学)経済学部進学。96年、高校時代の友人である宇治原史規(京都大学法学部卒業)と「ロザン」(吉本興業所属)を結成。著書『京大芸人』『京大少年』『京大芸人式日本史』『京大芸人式 身の丈にあった勉強法』『京大中年』など「京大芸人」シリーズは累計38万部の大ヒット。YouTubeチャンネル「ロザンの楽屋」、note「ロザン菅の1000字」をほとんど毎日更新。MBS「よんチャンTV」の人気コーナー「ロザンの道案内しよ!」では17年間で8000人以上を道案内している。

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