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生き方

周囲に振り回されず不満も少ない「自分軸で生きる人」に共通する習慣

衛藤信之(心理カウンセラー)

2026年01月05日 公開

周囲に振り回されず不満も少ない「自分軸で生きる人」に共通する習慣

「○○さんに嫌われているんじゃないか...」そんなふうに感じたことはありませんか?でも、他人の思いを自分で考えるのは難しいことです。心理カウンセラーの衛藤信之さんは、「変えられないものを無理に変えようとする」という考え方が、自分をどんどん苦しめることになると指摘します。

では、どうすれば周囲に振り回されずに、自分の心を守ることができるのか――本稿では、衛藤信之さん著書『傷つかない練習』より、「自分軸」と「他人軸」を見極める方法を紹介します。

※本稿は、衛藤信之著『傷つかない練習』(大和出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

他人軸か自分軸かを見極める

いつも自分ではコントロールできないことで悩んでいる人や、周囲の心配ばかりしている人を「他人軸」で生きる人と呼んでいます。一方、自分と自分にコントロールできることに集中している日々、まい進している人を「自分軸」で生きる人と呼んでいます。では実際に「自分軸で生きる」とはどんな状態でしょうか。

挨拶をして相手が返してくれなかったとき、心が揺れる人は多いでしょう。「無視された」「嫌われているのでは」と不安になり、そこから一日中、気持ちが重くなる。これが典型的な「他人軸」の生き方です。自分の気分の浮き沈みのコントロールを相手に明け渡してしまっているからです。

ですが、「自分軸」の人はこう考えます。「挨拶をしたのは、自分が挨拶したいからした。相手が返すかどうかは、その人の自由だ」。こうした思考だと相手から返事がなくても落ち込むことがないのです。むしろ、挨拶されなくても、「そんな相手にも挨拶できる自分は素敵だ!」と満足できる人です。ここに大きな違いがあります。

ある人は、「挨拶を無視されたら、近くにいる見えない運命の天使に挨拶したんだ、と思うようにしている」と言っていました。「その分、天使に愛されている、と思える」と言って、笑っていました。ステキですよね。

恋愛も「私が愛した分だけ、あなたも愛を返すべき」と、相手の反応を中心に考えると「他人軸」になり、結果、思ったような反応が返ってこなければ、落ち込み、不満になり、怒り、眠れなくなります。幸せと不幸のハンドルを他人が握っているからです。別れが来ても「自分が愛したいから愛したのだ」と自己充足している「自分軸」の人は、怒りから元恋人への攻撃性は生まれません。

お金を貸すのも同じです。「貸したいから貸した」と思えれば後悔は少ないです。「貸したからには見返りがあるはずだ」と考える人は裏切られたとなり、やがて人生が後悔と恨みで終わるのです。

自分軸の根本は「したいからした」と"動機を自分に置く"ことです。相手の反応によって気持ちを乱されることなく、「自分がしたのだ」に我に立ち返るのです。この感覚を持てると、人は驚くほど心が強くなり軽くもなります。

 

自分軸はわがままな生き方ではない

ここで注意したいのは「自分軸=わがまま」ではないかと勘違いしている人がいるということです。自分軸とは「他人に反応は相手に任せて。自分は自分の今できることに最善を尽くすこと」を指します。だから、親切にしても「自分が親切にしたかったんだな」に立ち戻れる人です。

不満な人は、「自分にも選択した瞬間があった」というその人生の大原則を無視して、「なんとかしろ」「お前のせいだ」「どうしてくれる」など、これからの楽しい未来を作らないで、ただ相手を責める「他人軸」の人です。子育ても「子どもを放ってはおけなかったから、自分が可愛がりたかったから育てた」と思える人は「自分軸」です。だから、離れていく子どもに恨みを持たないで、子離れも上手にできるのです。

<「The best」ではく「My best」で生きよう>

「My best」とは「自分にできる最善を尽くす」ことです。たとえば、笑顔で接する、誠実に相手に対応する、約束を守る。これは誰もが努力できる範囲です。けれど「〜すべき」と思い過ぎる人は「The best =完璧」を求めてしまう人です。

すべての人に好かれるべき。自分のまわりの人は自分に親切であるべき。子どもは自分の思ったようになるべき。相手は自分と同じように愛すべき。ステキな人に囲まれるべき。この世界に完璧を望むと強いストレスに見舞われます。だからこそ「自分にできること以外は、後は相手の心次第だから委ねよう」と境界線を引き仕切ることが大切になります。これができると人間関係はずっと楽になります。

自分にできることを「My best」で、全力を尽くす。My Best が、たとえ「The best」にならなくても結果は引き受けよう。今、自分ができることをやり切ったあとは、すべての結果は委ねるという姿勢を大切に。それが「人智を尽くして天命を待つ」ということなのではないでしょうか。

 

「神ゲタ主義」に生きる

「人智を尽くして天命を待つ」ことを、僕は「神ゲタ主義」と呼んでいます。昔のゲタ占いです。子どもたちは空にゲタを投げて「上なら晴れ、下なら雨」と天に任せていました。実はそこに大きな智恵が隠されています。「自分では決められないことは、あとは委ねる」という知恵です。

つまり、自分にできる最大限の努力はする。でもその結果は、神様にゲタを預ける。自分ではコントロールできないことについてまで永遠に苦しまない。コントロールできることとは自分、コントロールできないことは天に委ねる。

上司が怒っていることも、明日の天気も、自分の言ったことをあの人が「どう受け取るか?」も、自分ではコントロールできないことです。もちろん、自分で誤解されないための最大限のⅠメッセージで思いは伝えましょう。

すべてをコントロールしようとするのは、不安の裏返しです。しかし本当に強い人は「ここまではやった。あとは委ねよう」と言える人です。そうすると過去にこだわらずに、「今、ここ」でやれることに集中します。その結果が未来につながります。

たとえ結果が出なくても、やりたくてやったのですから「自分軸」です。雨を止めようとしないで、傘を差すように、人生も「自分できること」のみに集中する。これが、これからの「あなたの心」を守り、前に進む力になるはずです。

プロフィール

衛藤信之(えとう・のぶゆき)

心理カウンセラー、公認心理師、日本メンタルヘルス協会代表

幼少期に心理学に興味を持ち、アメリカで臨床心理学やサイコセラピーなど、多くを学ぶ。アリゾナでネイティブ・アメリカンと生活をし、生きる上での大切なことを知る。理論中心の心理学の学派を離れ、カウンセリングの現場で感じたことを提供している。代表を務める日本メンタルヘルス協会の卒業生は30年で5万人超え。
主な著書に、『心時代の夜明け―本当の幸せを求めて』(PHP研究所)、『イーグルに訊け』(飛鳥新社)、『今日は、心をみつめる日。』(サンマーク出版)、『「ほんとうの幸せ」の見つけ方』(サンマーク文庫)、『こころの羅針盤―人生を迷わないために…』(毎日新聞出版)など。

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