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大学生き残りの鍵は固有の強みの発見 多摩地域「社長輩出率1位」の実績

西山昭彦(明星大学客員教授)

2026年01月03日 公開

大学生き残りの鍵は固有の強みの発見 多摩地域「社長輩出率1位」の実績

人口減少と供給過剰が進むなか、大学はどうすれば生き残れるのか。上位のブランド校ではなくても堅実な実績を上げている学校を例に、地域に根差した経営の強みをデータによって明らかにする。

※本稿は、西山昭彦著『明星大学生はうまくいく』(PHP研究所)を一部抜粋・編集したものです。

 

大学の3グループ化

大学の需要が大きく減れば、大学間で受験生の奪い合いが激化する。そのような状況のなか、大学は3つのグループに分かれると考えられる。

まず1つ目に、上位のブランド大学は引き続き学生の志望も多く、経営も安定だ。
2つ目に、ブランド大学ではないが、経営努力で定員を充足、黒字を続ける大学。
3つ目に、定員が充足せず、経営できない大学が増える。これらの大学では定員の減員、学生募集停止、閉校、合併などが増えるだろう(もちろん、3つの間に入る大学も相当数ある)。

私は前著『立命館がすごい』(PHP新書)を出したとき、反響の大きさにびっくりした。このような1つの大学を多方面から分析した書籍がなかったということがあるだろう。

その中で、「積極的な取り組みは評価できるが、(普通の)大学では参考にできない」という声をいただいた。つまり、先の3つのうち1のグループになるからだ。

他方、2のグループ、つまり上位大学でなくても経営努力で成功は可能である。そして、その事例こそ他の大学の参考になるはずである。

 

東京都の人口3割を占める多摩エリア

学校法人明星学苑は、1923年に多摩の地に誕生してから創立102年になる。創立時にわずか30人の生徒で始まった学苑は、多摩地域の発展ともに成長し、現在では幼稚園から大学・大学院まで1万4000人が学ぶ総合学苑に発展している。

多摩地域とは、東京23区の西側にあり、区以外の30市町村からなるエリアで、面積は23区より広く、1159.81㎢。人口も424万8710人(2025年1月1日現在)で、東京都の人口(1419万5730人)の約3割になる。
その多摩地域に本社がある企業(株式会社及び有限会社)のうち、明星大学出身者が代表を務める企業は、2024年で232社である。

 

社長輩出率で1位

株式会社帝国データバンクの発表した『2024年東京都多摩地区(東京都の23区・島嶼部以外)社長出身大学ベスト10』(2024年11月現在)によると、約50大学のキャンパスが存在するなかで日本大学、中央大学に続き、3位が明星大学となっており、この3位は4年連続である。

ところで、「日大は学生数が1位だ。学生が多ければ経営者も多いはずだ」という声がある。たしかに学生が多いことは事実だ。

大学の学生数が違うので、人数でなく比率で見る方が適切である。社長輩出率=社長数÷在籍学部学生数を計算すると、明星大学が2.7%で圧倒的な1位になっている。

ここから、多摩では「社長になっている大学1位」ということができる。

大学の卒業生の活躍は、大学教育の価値を表す重要な指標である。卒業生の経営者就任率がこのように地域で1位ということは、明星大学の教育の高さを実証しているものということができる。

 

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