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- スタバ「ベンティ」名前の由来は数字の20? イタリアの鉄道アナウンスで気づいた意外な共通点
ローマ・テルミニ駅へ向かう電車の車窓から
外国語を学んでいても、実際に現地に行くと思わぬ壁にぶつかることがある。イタリアを旅したラテン語さんも、鉄道の旅の中でいくつかの発見をした。高校2年生でラテン語の学習を始め、2016年からX(旧Twitter)でラテン語の魅力を毎日発信し続けるラテン語さん(東京古典学舎研究員)。その新著『今に生きるラテン語を求めて 「永遠の都」ローマ滞在記』から、イタリア鉄道の旅で出会った言葉の発見を紹介する。(写真提供:ラテン語さん)
※本記事は、『今に生きるラテン語を求めて 「永遠の都」ローマ滞在記』(PHP研究所刊)より一部抜粋・編集したものです。
イタリアの切符は「打刻」しないと無効になる
フラスカーティからボローニャの旅は、フラスカーティ駅でローマまでの切符を買うことから始まる。他の場合はオンラインで買っているが、今回はあえて趣向を変えて券売機で買うことにする。のどかなところにあるフラスカーティ駅だからこそ券売機を使う気持ちになるが、ローマ・テルミニ駅ではとてもそんな気が起きなかった。
都会にある駅では、観光客が券売機を操作していたらおせっかいな人が「機械の使い方を教えてあげるよ」と言って、お金を要求するなんてことがある。券売機に関してもう一つ言うと、高額紙幣を崩す目的で使うのも控えるべきだ。というのも、券売機が出せるお釣りは19ユーロまでなのだ。
切符を購入しても完了ではなく、駅に備え付けてある別の機械を使ってこの紙に現在時刻を印字して、切符を有効にする必要がある。印字がない切符を持って電車に乗ると、「未使用の切符を持って鉄道を利用している」状態となり、車内検札で引っ掛かって罰金を取られる。
打刻の機械に切符を差すと、「Allineare il biglietto a sinistra」(切符を左に寄せてください)という文が表示される。指示通りに切符を左にずらすと時刻が印字され、「Rimuovere il biglietto」(切符を抜いてください)という文が出れば完了だ。
フラスカーティからローマの電車で、電波が時々入らなくなることにも慣れてしまった。慣れというよりも諦めに近い。日本での生活を標準とすると、この国は不便だと感じることがたびたびある。もはや不便を愛しているとさえ思えてしまう。
しかし、思い通りに事が進まないことにイライラしてしまうのは、自分が求めすぎているからではないか。不便を受け入れてそれに順応した方が幸せに暮らせるのではないか、などと考えをめぐらせながら、ローマ・テルミニ駅に到着した。
スターバックスの「ベンティ」はイタリア語で「20」
声の低い男性のイタリア語の自動アナウンスも、そろそろ耳になじんできた。
Attenzione! Treno in arrivo al binario ventuno. Allontanarsi dalla linea gialla.
注意! 列車が21番線に到着します。黄色い線から離れてください。
Ventuno(21)はventi(20)とuno(1)から成り立っている単語で、ventiはスターバックスのベンティサイズの名前の由来だ。20液量オンス(約591ml)あるため、その名がついた。
「お手洗い」が通じない
ボローニャ中央駅行きの電車に乗り換え、車内でお手洗いを探す。ローマ・テルミニ駅にもトイレはあるが、列車内とは違って利用するには1.2ユーロの料金がかかってしまう。車内の係員にトイレの場所を聞く。
Scusa, dov'è la toletta?
すみません、tolettaはどこですか?
係員は、私がなにを言っているか分からない様子だった。車内を見回してみるとトイレがあったので、「これを探してたんだ」と指さしたら、「ああ、bagnoか!」と言われた。tolettaという単語は、お手洗いを指すために使われることは一般的ではないらしい。東京ディズニーシーのメディテレーニアンハーバーのお手洗いで見たイタリア語を使ったつもりではあったが、自分の知識がアップデートされた。
また、私語や音を出すことが禁止されている、ゆっくり休みたい人たち向けの号車(Area Silenzio)もあり、日本との違いを感じた。







