なぜ仕事が速い人はスマホを手放すのか 集中力を上げる3つの習慣
2026年04月30日 公開
仕事ができる人・速い人ほど、常にスマホを上手く駆使している――そんなイメージを持つかもしれませんが、実は仕事が速い人ほど「デジタルデトックス」(スマホやパソコンなどと距離を取ること)していると、作業療法士の菅原洋平さんはいいます。
本稿では、菅原さんがオススメする「仕事が速い人になるためのコツ」について見ていきましょう。
※本稿は、菅原洋平著『仕事が速い人があたりまえにやっていること』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
仕事が速い人は実践している「デジタルデトックス」
「余計な情報」があふれているものの代表格といえば、スマートフォン(以下、スマホ)。放っておいても情報が流れ込み、多くの人が情報を抱え込みすぎています。
一見、なんでもその場でサクサク検索して調べてしまう人のほうが、要領がよく仕事が速いと思いがちですが、実際はその逆。適度にデジタルデトックスをしたほうが、自分がやるべきことに集中できるようになります。スマホやタブレットと距離を置く簡単な一例を紹介しましょう。
①寝る1時間前になったら戸棚にしまう
②帰宅後はバッグの中に入れたままにする
③玄関に置いて外出時だけ使用する
④休日の午前中や入浴後の時間は、画面を見ない
私の場合、打ち合わせの行先などはあえてプリントアウトをして、外出時にはスマホを見ないようにしています。また普段の生活では、スマホではメールやSNSを見ないと決めています。
「デジタルデトックス」のポイントは、自分の意志とは関係なく、スマホを見ることができなくなる環境をつくること。なかには、「インターネットに接続するルーターの電源をタイマーで切ってしまう」という人もいます。延長コードにダイヤルがついているものを使用して、時間になったらインターネットがつながらなくなる環境をつくるのです。
まずは1時間、情報から離れることから始めてみましょう。入浴中やストレッチ、ジョギングをしている間など、「それ」をしている間は情報から離れる、という環境をつくります。スマホを置いてスーパーに買い物に行くのもいいですね。それができれば、「休日の半日」「外出中」という感じで、場面を限定して一定期間離れてみましょう。意志の力で行動を変えるのは難しいですが、環境を変えてしまえばおのずと行動は変わります。
最初は落ち着かない感じがしますが、そのままやりすごしていると、情報から解放されて、文字どおり視界が明るくなります。交感神経の過剰活動によって収縮していた瞳孔が、開いていくからです。この解放感を得られると、情報と一定の距離をとることにストレスを感じなくなります。
ちなみに最近では、受付でスマホやタブレットを預けて宿泊する、「デジタルデトックスプラン」がついたホテルや旅館もあるようですね。旅行や出張のときに、宿泊先の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか?
作業・習慣の「順番」を変えるのも有効
デジタルデトックスなど新しい生活習慣をつくるのは、ハードルが高いという人もいるかもしれません。そこで、新しい作業を加えずに、いまの作業の順番を変えることで、不必要な情報に注意を奪われるのを防ぐ方法もあります。
無自覚にスマホを見始めると、いつになったらスマホを見ることが終わるのか、脳が予測することができません。いつくるのかわからない利益に期待し続けてしまいます。そこで、損失を未然に回避するのです。
「利益と損失?」と思った方、これから説明するのでご安心を。たとえば、夕食をとった後に入浴する習慣の人の場合。夕食後にソファでスマホを見ていたら入浴するのが面倒くさくなり、だらだらネットサーフィン。ようやく入浴したら0時すぎになってしまい、寝不足になりがち......。そんなときは、帰宅後すぐに入浴し、その後で夕食をとるように順番を変えてみましょう。
この場合、入浴が遅れることで寝不足になってしまうのが「損失」、その損失を生み出すのが「ネットの目新しい情報という利益」への期待です。そこで、ネットの情報という目の前の不確かな利益によって、少し先の未来に起こる寝不足(損失)を避けるため、「入浴する」という行為を前にもってきます。
人間の脳は、計画どおり行動できると、その達成感から同じ行動を続けようとする反応が生まれます。さらに、「なにか目新しい情報」という不確かな利益に対して脳が期待しなくなるため、だらだらとネットサーフィンをしてしまうのを自然と防げるようになるのです。
「1作業・1スペースの法則」で、高い集中力を維持できる
リモートワークが増え、「パソコン作業をする席で食事もしている」という人も多いのではないでしょうか。実はこれ、余計な情報に気が散って、「仕事が遅い人」になってしまう原因となるためおすすめできません。
なにかの作業をすると、それに対応して血圧や心拍数が高まっていきます。そしてこの反応は、「その作業の空間情報」とセットにされて記憶されます。その記憶に基づいて脳があらかじめ作業の準備をするので、作業場所に行くと速やかに集中することができます。たとえば、「会社のデスクについた瞬間に仕事モードに切り替わる」という人はまさにこれです。
ところが、パソコン作業をする席で食事もとるなど、同じ場所で複数のことを行うと、脳の準備が遅れて作業をするときに慌てて代謝が高められるため、負担が大きくなってしまうのです。さらに、予定なく高められた代謝活動は、作業終了後も低下しにくくなります。この影響で、席についてもなかなか作業に集中できなかったり、作業を終えても不必要な情報をだらだら見たりしてしまいます。
そこで、1つの作業を選び、その作業だけを行う場所を設定してみましょう。
たとえば、仕事用の席を決めたら、その場所では、スマホを見たり、飲み食いをしたりすることは避けます。席を立ってスマホを見て、なにも持たずに席に戻る。こうすることで、あっさりと作業に集中することができます。
1つの作業は、1つの場所で行う。これだけで余計な情報に振り回されず、高い集中力を維持できるはずです。








