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いくつ当てはまる? 「SNS依存症」傾向にある人の行動パターン

中島美鈴(臨床心理士/公認心理師/心理学博士)

2023年06月19日 公開 2024年12月16日 更新

いくつ当てはまる? 「SNS依存症」傾向にある人の行動パターン

いまや社会問題にもなっているSNSへの依存。しかし自分がSNSに依存しているのかどうか、はっきり分からないという人も多いはずです。心理士の中島美鈴さんが、SNS依存度尺度を示しながら解説します。

※本稿は、中島美鈴著『脱ダラダラ習慣!1日3分やめるノート』(すばる舎)より内容を一部抜粋・編集したものです。

 

身近になり過ぎたからSNSにハマるのは当然

SNS全盛期の今、誰もが情報の発信者になっています。SNSとの距離感は、10年前とは比べものにならないほど近くなりました。

そのきっかけはなんといってもスマホの普及でしょう。2012年前後から、スマホは瞬く間にひとりに1台の時代になりました。今や小学生が持っています。

スマホの普及で私たちは、これまでなら帰宅してパソコンをわざわざ開いてから投稿したり閲覧していたのを、電車の中で、海外で、飛行機の中で、デート中にもリアルタイムで情報発信したり、アクセスしたりできるようになりました。

誰しも、布団の中から真夜中にスマホでSNSを見た経験があるのではないでしょうか? このくらい、いつでもどこでも接触してしまうと、誰しもSNSにハマる可能性は高くなります。

スマホ元年とも言える2012年以降に不登校の児童生徒の数が増えていることは何かを示唆しているようです。

たとえば、「目の前の友達を差し置いてもスマホでSNSを優先している光景」はカフェではよく見かけます。

「リアルでうまくいかないけど、SNSでは人気者」という例も見かけます。学生の間では、クラス単位、サークル単位、仲良し単位でSNSのグループが形成され、投稿して交流しなければ仲間はずれにされるという風潮も強いようです。

こうして次第に、SNSの世界と現実世界の境界線はあいまいになってきました。SNSにおける誹謗中傷で心に傷を負った人もたくさんいますし、SNSで注目されたことでテレビや雑誌に取材を受けたりして人生が大きく変わった人もいます。

そうした状況のため、どこまでがSNSとの適切な距離感なのかを定義することはとても難しくなっています。

ただ、目安としていただきたいのは、「リアルの生活に支障をきたしていないかどうか」です。

SNSのせいで睡眠不足になり、仕事や学校に遅刻したり、仕事や家事、学業に集中できなかったり、友人関係など社会的な交流に問題が生じたり、視力低下や腰痛などの健康へ悪影響が見られたり...。

余暇がすべてSNSに乗っ取られてしまったり、SNS投稿で注目を集めるために経済的負担が増えたりしていれば、距離感が間違っているかもしれません。

 

SNS依存度をチェックしてみよう

とはいえ、自分のSNS利用状況は依存なのかどうかの一定の基準がほしいですね。ここで、SNS依存度尺度をご紹介します。

【SNS依存度尺度】

1. もともと予定していたより長時間SNSを利用してしまう
2. SNSを利用していない時も、SNSのことを考えてしまう
3. SNSを利用していないと、落ち着かなくなったり、憂うつになったり、落ち込んだり、いらいらしたりする
4. SNSの利用時間を減らそうとしても、失敗してしまう
5. ますます長時間SNSを利用しないと満足できなくなっている
6. 落ち込んだり不安やストレスを感じたとき、逃避や気晴らしにSNSを利用している
7. SNSの利用が原因で家族や友人との関係が悪化している
8. SNSを利用している時間や熱中している度合いについて、ごまかしたりウソをついたことがある

この8項目のうち、5項目以上に当てはまる人は河井氏らの研究では「依存症者」と定義されています。あくまで医療機関での診断レベルとは別ですが、ひとつの目安としてご覧ください。

そして、この研究では、依存症者は、そうでないSNS利用者と比較して、SNS上の人間関係を負担に感じていることがわかりました。人とつながることを目指したSNSが、ヘビーユーザーにはつながる負担になっているという皮肉な結果です。

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SNSにハマる4つの理由とは?

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