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先延ばしを克服する「作業時間の見える化」 "すぐやる人"になるための3つのコツ

菅原洋平(作業療法士)

2026年05月05日 公開

先延ばしを克服する「作業時間の見える化」 "すぐやる人"になるための3つのコツ

「夏休みの宿題は最終日に終わっていた」「スケジュールを決めたのに、締め切りギリギリから作業を始めて終わらなかった」――"ついつい作業を先延ばししてしまった経験"は、多くの人にあると思います。

「締め切りを決めるのも大切だけど、まずは"自分の作業を見える化"することが大切」と語るのは、作業療法士の菅原洋平さん。本稿では、先延ばしをしないためのコツやスケジュール管理術について紹介いただきます。

※本稿は、菅原洋平著『仕事が速い人があたりまえにやっていること』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

段取り上手な人は、「作業の走力」を把握している

「自分が決めた日までに作業を終えることができません。締め切りを設けることが大事だと聞いてから、できるだけ自分で締め切りを決めるようにしているんですけど、守れたためしがないんです」(20代男性)

ゴールに向かって実行するには、「締め切りを設ける」ことが有効です。ゴールが明確になり、いま自分がどの地点にいて、どのくらいのペースで作業しなければならないのかがわかります。ただ、この男性のように、締め切りを設けても守れない場合があります。

原因は、「締め切りまでの道のりが遠すぎるから」。予測は、時間のスパンが長いほど難しくなります。

たとえば、フルマラソンを走るとしても、ゴール地点のタイムだけを設定して走ったりはしませんよね。5㎞、10㎞、20㎞、30㎞など細かく目標タイムを設定し、ペース調整をするはずです。締め切りを決めるときも、これと同じ。まずは、「自分の作業の走力」を知ることから始めましょう。

「作業の走力」を把握することで、所要時間の見積もり精度が高くなります。「スケジュールどおりに終わらず、本当はやるはずだった作業を先延ばししてしまった......」という事態を避けられます。みなさんも、「5分でなにができるのか」「30分でどのくらいのことができるのか」という短距離、中距離、長距離の走力を測ってみてください。

【調べてみよう!】(※人それぞれなので実際に測ってみましょう)

・5分で終わる作業:スケジュール確認

・10分で終わる作業:メールチェック

・30分で終わる作業:ブログ執筆

また、「作業の走力」がわかれば、空いた時間にピッタリはまるものを選ぶことができます。

たとえば、パソコンのデスクトップがアイコンで散らかっている人、多いのではないでしょうか?いまは使わないフォルダ、作成途中のファイル......デスクトップ上が散らかっていると、必要なものを探すときに時間がかかりますよね。とはいえ、整理しようと思っても「なんか面倒だから、また今度でいいや」と先延ばししがちです。

でも、いざ実践してみれば、想像以上に短時間で終わらせられるかもしれません。実際、本書の担当編集者が打ち合わせ前にデスクトップを整理してみたところ、2分できれいになったそうです。2分でできることがわかれば、だいぶ精神的なハードルが低くなりますよね。ちょっとした隙間時間ができたときも、「あっ、この時間にデスクトップを整理しておこう!」と思えるはずです。

「時間がかかりそう」「面倒くさそう」と思って手をつけていない作業は、まず時間を測ってみましょう。それだけで「意外とすぐに終わること」がわかり、「だったら、○分空いたからこれをやろう」と気持ちが変わるかもしれません。

 

「なぜ予定どおりに終わらなかったか」を振り返る

スケジュールを立てる際には、「開始時刻」だけではなく「終了時刻」も意識することが大切。とくに、作業に没頭してほかの作業を先延ばしにしてしまう人に有効です。もし予定していた終了時刻に作業が終わらなかったら、手を止めて「なぜ終わらなかったのだろう?」と向き合ってみてください。

たとえば、資料作成なら「調査に時間がかかった」「似たような資料をつくっていたのに、その資料がなかなか探せなかった」など理由が見つかるはずです。理由が見つかれば、すぐに対処すべき課題、不得意な作業などが明確になります。それをふまえれば、所要時間の見積もり精度も高まり、スケジュールどおり作業を終えられるようになります。

時間で作業を区切ってしまうと、「せっかく集中してたのに」と中断するのがもったいなく感じるかもしれません。でも、途中で切り上げて予定よりも遅れている原因をノートに書き出したり、誰かに話したりするなど「アウトプット」をすると、作業全体を俯瞰的にとらえられるため、作業への理解度も高まります。

アウトプットすることで、「フィードバック誤差修正(脳が持つ、行動して得られた感覚に基づいて次の行動を修正する仕組み)」という脳の機能が働き、不自然な点が修正され、次に作業をする際の効率がよくなるからです。

 

すぐやる人の「スケジュール管理術」

チームで仕事をしていると、誰かがスケジュールを組んでくれることがありますよね。でも、できれば自分でも、それとは別にスケジュールを考えてみることをおすすめします。なぜなら、スケジュール管理は、他人主導で決められて受動的になる場合と、自分主導で決める場合とでは、脳にとってまったく意味が変わるからです。

「時間を区切るのが苦手だから、誰か締め切りを設定してくれないかな」という気持ちはよくわかりますが、それだといつまで経っても仕事は速くなりませんし、むしろストレスが増えることになります。

理由はこうです。自分で作業を区切りペース配分をした場合、立てた予測よりも前倒しで終わらせることができれば、「思ったより早い」という予期せぬ報酬が手に入ります。予期せぬ報酬が手に入るとドーパミンが急増して、「もっとこの報酬がほしい(前倒しで終わらせたい)」という思いが強くなります。

この繰り返しにより、流れるように作業することができ、1日を終えたときには、「今日は充実していた」と感じることができるのです。これは、ドーパミンの有効な活用法です。

一方、受動的にスケジュールを区切られた場合はまったく異なります。たとえば、「締め切りを守れば、みんなに迷惑をかけない」このように報酬が設定されると、締め切りを守るための方法を脳はあれこれ考えます。

一見、これでもよいように感じますよね。ところが、予定していたとおりに作業を終えて、実際に迷惑をかけなかったとしても、ドーパミンは増えません。ドーパミンが増えるのは、あくまでも「予期せぬ報酬」の場合だからです。予告どおり得た報酬は報酬にはならないのです。

加えて、迷惑をかけないように締め切りを守ったのに、相手はそんなことをすっかり忘れていた場合、いつもよりドーパミンは激減し、やる気そのものが失せてしまいます。スケジュール管理をするときは、必ず自分で考えて締め切りを設けるようにしましょう!

プロフィール

菅原洋平(すがわら・ようへい)

作業療法士/ユークロニア〔株〕代表取締役社長

ユークロニア株式会社代表。国際医療福祉大学卒業後、作業療法士の免許を取得。国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事したのち、現在は、ベスリクリニックで臨床を行なう傍ら、生体リズムや脳の仕組みを活かした企業研修などを全国で行なう。『努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ』(アスコム)など著書多数。

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