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生き方

「考えすぎ」で疲弊した心を落ち着かせる5つの習慣

チェイス・ヒル

2026年05月18日 公開

「考えすぎ」で疲弊した心を落ち着かせる5つの習慣

「不安が頭から離れない」「将来が心配で眠れない」「人にどう思われたか気になる」......。ぐるぐるぐるぐる「負の思考ループ」が止まらないという問題は性格ではなく止められるとチェイス・ヒル氏は言います。同氏による世界的ベストセラー『「考えすぎてしまう」が一瞬で消える法』によると、その原因はすべて頭の中のひとりごと、または心のノイズなようだ。秒で「考えすぎない人」に変わるための知見を同書の著者に教えてもらった。

※本稿は『「考えすぎてしまう」が一瞬で消える法』(SBクリエイティブ)を一部抜粋・編集したものです。

 

認知の歪み

考えすぎ、心配、ネガティブ思考には共通点があります。それは、すべて頭の中のひとりごと、または心のノイズ(メンタルノイズ)だということです。心の内外の平穏をおびやかす思考です。

科学的な理由はともあれ、時間を経て脳に植えつけられたメンタルノイズなのです。ほとんどの場合、コントロール不可能(少なくとも自分ではそう感じる)で、どこからともなく現れます。

しかし、頭の中のひとりごとや思考は、いいことでもあります。たとえば、計画立案、学習、分析など、生産性を向上させるために使えます。問題になるのは、思考をオフに切り替えられない、ぐっすり眠れなくなった、ネガティブな気持ちが強くなったといった場合です。

その内容や特定する方法を振り返ってみましょう。

・繰り返し訪れるネガティブ思考や続く不安。
・過去の経験または恐れにまつわるイメージや「動画」を頭の中で再生する。あるいは繰り返し思い浮かべる。
・過去について思い悩んだり、不確実な未知なるものを恐れたりして、今この瞬間から注意が逸れる。
・こなすべきタスクなど、あまりに多くのことについて脳が考え続けているため、今目の前で展開されている会話に集中できない。
・人にどう思われているかが常に気になり、完璧を目指そうとする。だが頭の中のひとりごとのせいで目標を達成できないため、完璧にやり遂げてもじゅうぶんだという気がしない。
・無意識の思考または空想。未来を恐れ、変えられないことについて考えすぎるせいで、あらゆる状況を過剰に分析し、わからないことについてストレスを抱えている。

こうした思考パターンは不健全で、この思考の影響を受けている人は、1日のうち90%の時間は疲れ果てていると感じます。

このSTEPでは、自分の脳を整理し、この種の脳内のひとりごとをオフに切り替える方法について説明します。脳を再起動する方法がわかれば、夜にしっかり休み、リラックスしたいときには心の静けさを感じられるようになるはずです。

メンタルノイズを断ち切る優れた方法のひとつは、忍耐を覚え、学び、集中力を養う練習をすることです。本稿で紹介する他の手法と同じく、一晩でできるようにはなりません。ですが、実践すればするほど、頭の中の静けさを保てるようになります。やがて、スイッチのように簡単に思考をオンまたはオフできるようになるでしょう。

 

心を落ち着ける

心を落ち着けることは、意思、一貫性、忍耐を必要とする特別なスキルです。心を静めることが有益だとされるのは、自分の中で平穏を保つことが多くの利点につながるからです。心の平穏を見つけられたなら、あらゆる状況や環境において、自分の外側でも平穏を見つけやすくなります。

心の平穏と静かな頭の中を保つ目的は、考えるのをやめることではなく、脳が設けた障壁を乗り越えることです。心の平穏を見つけて頭の中を落ち着けるためのコツを5つ紹介します。

1 思考がもたらすメンタルノイズに耳を傾け、観察する

ラベルをつけずに、思考を観察しましょう。「もっとできる人間だったらよかったのに」「自分を傷つけたい」などの望んでいない考えや不愉快な考えが頭に浮かんでも、それを判断したり、「いい」「悪い」「怖い」「恐ろしい」などのネガティブなラベルをつけたりしないでください。ただ認識して、存在を認めます。押しのけたり避けたりしないでください。その思考がどこからきたのか考えるのではなく、そこにあることを受け入れます。そうすると、その思考の影響力は弱まり、自分自身と悩みをコントロールできるようになります。

2 意識的に自分の考えを疑う

この手法は、認知行動療法に基づいています。多くの心理学者がこのメソッドを信頼しているのは、思考をコントロールしたり方向を変えたりして、思考との関わり方において新たなパターンや習慣を形作ることができるからです。思考を疑うことでコントロールを取り戻せます。

まず、思考について自分に問いかけましょう。「私は優れた人間ではない」と考えているなら、この思考はどこから生じたのだろうと問うてみます。あなたは短絡的に考えていませんか? この思考にはどのような認知の歪みがありますか?

次に、ポジティブな面を見つけます。「私は、実は優れた人間だ」と思える出来事が起きたことはありますか? それはどのような出来事でしたか?

思考の根本原因を見つけると、コントロールを取り戻せます。その思考を事実と置き換えることができるからです。

3 意図的に呼吸に集中する

心配、不安、考えすぎの「トリガー」を感じるときは、きちんと呼吸できていません。目を閉じて、呼吸がどこからやってくるのか探ってみてください。お腹、胸、それとも鼻でしょうか。次に、呼吸を変えることなく呼吸を意識します。どこから呼吸が生まれているのか、自分がどのように呼吸しているのかがわかったら、次は深く長く息を吸い込むことに集中します。5秒間息を吸い込み、3秒間息を止めて、5〜7秒間息を吐きます。気持ちが落ち着くまでこれを繰り返し、通常の呼吸に戻ってから、目を開けます。

4 リラックスして意欲が湧き、気持ちが落ち着く音楽を再生する

音楽は最高の癒しのひとつです。歌手に共感したら、その歌手はあなたのお気に入りのアーティストになります。その歌手が自分にとって意義のあることを歌っているとわかるので、さらにリラックスできます。インストゥルメンタルが好きな方は、楽器のリズムと音に注意を払ってください。目を閉じて、これまでは気づかなかった背景の音に集中してみましょう。楽器の名前を当て、旋律を記憶します。

5 定期的に運動する

毎日運動していると、先に紹介した「幸福」物質が放出されます。ドーパミンが放出されれば、脳はより多くのセロトニンを生成できるようになり、幸せを感じやすくなります。幸せを感じていると、さほどストレスがたまらず、思考が手に負えなくなることや力が入りすぎることはありません。体を動かすことで、頭の中でひとりごとを言ったり考えすぎたりするためのエネルギーを枯渇させるのです。

常に考えすぎたり、心配しすぎたり、ネガティブに考えたりしていると、頭の中のひとりごとは悪化し、手の打ちようがないように感じます。次のセクションでは、脳を再起動する方法について紹介します。

 

脳を再起動する

ネガティブ思考、心配、考えすぎを乗り越える最良の方法は、脳をリセットすることです。まず変化を受け入れ、恐れを乗り越えなければなりません。でも、どうしたらそんなことができるでしょうか?

この再起動プロセスについては、すでに大方を説明しました。と言っても、これまでに紹介した手法の目的は、考えすぎパターンを止めることのみでした。このプロセスには他にもメリットがあります。現代社会で処理しなければならない大量の情報に悩まされている脳を助けてくれるのです。

私たちは日々、SNS、テクノロジー、そして大量の新しい情報を解釈し、やりとりしています。今から紹介する、脳を再起動する方法について読んだら、脳をリセットするという目的を念頭に置いて考えてみてください。

1 マルチタスクをやめる

マルチタスクが有益な場合もありますが、これは脳が働きすぎてしまう理由のひとつでもあります。一度にあまりにもたくさんのことに集中したり、考えたり、実行したりしようとすると、脳は次から次へと焦点を切り替えることになります。この種の思考は、一度に複数のことをこなす能力を弱めます。

掃除機をかけ、カウンターを拭いて、その後もう一度床をはいたりモップがけをしたりしていませんか?こんなにいろいろなことをすると、すごく疲れるはずです。それなのによく考えれば、まだ洗濯をしていないし、洗い終えていない食器があるし、ほとんど何もしていなかったような気持ちになります。これがマルチタスクの悪影響です。マルチタスクを行っていると集中力の持続時間が短くなり、気が散ります。これは「モンキーマインド」や「スクイレルエフェクト(リス効果)」と呼ばれています。マルチタスクをやめるには、一度にひとつのことだけに集中し、そのタスクが終わるまでは次のタスクに移らないようにしましょう。

2 一度にひとつのことだけに集中する

認知心理学者、ダニエル・J・レヴィティンの『スッキリ脳:情報過多の時代にまともに思考する』(未邦訳)は、計画的な没頭を提唱しています。計画的な没頭とは、やるべきことやタスクを30〜50分以内のタイムスロットに分割し、それ以外のことはしないというものです。

人間の脳には、タスク・ポジティブ・ネットワークとタスク・ネガティブ・ネットワークという2つの集中モードがあるとレヴィティンは書いています。タスク・ポジティブ・ネットワークとは、外の世界や、テレビ、会話、スマートフォンなどのまわりの環境に気を散らすことなくタスクを完了する能力です。

タスク・ネガティブ・ネットワークとは、脳が活発に夢想したり想像したりしていて、手元のタスクに集中していない状態です。つまり、やるべきことに取り組んでいる間も、せわしなく他のことを考えているのです。このタスク・ネガティブ・ネットワークから、創造性やひらめきが芽生えます。人間には「注意(アテンション)フィルター」が備わっていて、これが2つのモードを切り替えています。そのおかげで私たちの脳は整理された状態を保ち、現在のモードに集中し、取りかかっているタスクを完了できます。

3 「注意フィルター」

レヴィティンの助言をまとめると、特に集中力と注意力を必要とするタスクに取り組んでいる場合、創造的な生産性を高めたいなら、ソーシャルタスクにあてる時間を別途設定しなければならない、ということです。

つまり、ステータスアップデート、X、テキストメッセージ、財布を置き忘れた場所、口論になったパートナーや友人と仲直りする方法などについて考える時間と場所を常に確保します。1日のうちのどこかでソーシャルに焦点を当てる時間をとれば、気が散りにくくなり、より多くをこなすことができます。これは、ひとつのことだけに集中して脳を再起動するための優れた方法です。

タスク・ネガティブ・ネットワーク(空想、心ここにあらず、深い思考)の時間とは、自然の中の散歩、音楽鑑賞、アロマを楽しむバスタイムなどです。こうしたことを行っているときに、心のおもむくままに思考をさまよわせると、脳がリセットされ、今取り組んでいることについて一味違う、より健全な視点を得ることができます。

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