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生き方

「こころ文字」~漢字に込められたもうひとつのメッセージとは

浦上秀樹(「こころ文字」作家)

2013年10月17日 公開 2022年02月21日 更新

※本稿は『ひと文字ののキセキ』より一部抜粋・編集したものです

手足が動かない難病の「こころ文字」作家・浦上秀樹さんが、漢字を見つめながらつむぎ出した、勇気と励ましの言葉。

あなたは、ひらがなの組み合わせで描かれたこの漢字「こころ文字」のもうひとつのメッセージがわかりますか?
(「静」のはじめの文字は「こ」、「動」は「き」からはじまります)

 

「こころ文字」との出会い

「遠位型ミオパチー」という私の病は、治療法がなく、重い病気とされています。21歳で発症して、19年間。神様が与えてくれたこの「不自由」という環境。どんな意味があり、どんな役目が与えられているのか。ず~っと頭の片隅に置きつつも、「こころ文字」に出会うまではただなんとなく生きてきました。

だけど、霧の向こうにぼんやり何かが動いているのはわかりました。それがなんなのかは、まだ先に進まないと見えてきません。

「こころ文字」を始めてからは、それまでの人生ではありえないほどの体験をし、自分の使命というか、自分の存在する意味がわかったような瞬間があります。それは、すばらしい出会いによって、未来への扉を見つけた瞬間です。

自分がやりたいことが扉の向こうにあり、それは夢に描いていた世界でした。出会ったすべての人が、私の夢への懸け橋になってくれていることに気づきました。それは、「こころ文字」をやることによって知ることができた、私の生きる道です。

つくづく思います。
病気になって、よかった。
応援してくれる人に囲まれ、本当に幸せ者だと。

文字からいろいろなことを学び取ります。頭の中や心の奥底から湧き出てくるものを絞り、その滴が口と筆に伝わって、私の「こころ文字」は「オギャ~」と生まれます。

一点に集中し、文字を書いているとき、気持ちがよくなります。軽くなって、心や体が宙に浮かんできます。この文字が発信している、本来の意味を考えると、楽しくなります。書き上がると、もっと楽しくなります。

 

もうひとつのメッセージが込められた「こころ文字」(1)楽

こころ文字「楽」こうどうりょく

たとえば、意思をもって行動すると、自分を楽しくさせます。

あの人は、何を望んでいるのだろう。

相手の顔を浮かべながら行動すると、楽しくなります。

自分のやりたいことに、与える喜びを足していくと、人生が豊かになります。

 

もうひとつのメッセージが込められた「こころ文字」(2)動

こころ文字「動」きせきよぶ

動くことには、努力が必要です。

動けば、継続して力を得られます。

動き続けることは、重たい山をも動かす奇跡を呼びます。

 

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