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マーケティングを学ぶことで、どんな力が身につくのか?



2014年01月21日 公開

グロービス

 

マーケティング1.0から2.0へ

 近代マーケティングの確立者のフィリップ・コトラーは、マーケティング1.0を「製品を売り込むだけのマーケティング」と表現しています。これは要するに製品中心主義のことで、工場から大量に生み出される製品を市場に売り込むためのマーケティングということです。同じモデルの製品を大量生産することによって、生産コストをできる限り落とす。そして価格を下げて市場の拡大と市場シェアの最大化を狙う。これがマーケティング1.0の目的です。

 マーケティング1.0の具体的な説明は第2章に譲るとしますが、ここでも簡単に触れておきましょう。

 ひとつの典型例として、ヘンリー・フォードが創業したフォード・モーターが、1908年にT型フォードを生み出してから1927年にその生産を終えるまでに主にとっていたマーケティング戦略を、マーケティング1.0として扱います。

 とにかく自動車が目新しくて、つくれば売れる、という状況です。この場合、顧客は製品に対して多くは求めません。「自動車なら動けばいい」という状況です。

 ちなみに、この時代のすべてのビジネスが必ずしもマーケティング1.0的という意味ではありません。あくまでフォードーモーターが初期にとっていた戦略が、マーケティングの初歩・基本であり、マーケティング1.0の典型である、ということです。T型フォードの時代を観察しつつ、どのようにしてマーケティングが展開されていったのかを考えていきますが、そこでのキーワードは、物量やロジスティクスなどです。

 そして次にマーケティング2.0の時代に触れていきます。

 コトラーはマーケティング2.0を「顧客主体のマーケティング」と表現していますが、これは今日現在のわれわれに最も馴染みのあるマーケティングを想像してもらえばわかりやすいでしょう。

 いわゆるS(セグメンテーション)、T(ターゲティング)、P(ポジショニング)や4P(マーケティング・ミックス)を駆使して、合理的に顧客にアプローチをしていこう、というマーケティングです。この概念は、情報技術の発達にともない、ここ数十年で最も定着したアプローチです。

 情報技術の発達により、私たちは類似の製品やサービスを簡単に瞬時に比較できるようになりました。しかしその一方で、企業間の競争はより激しさを増してしまったのです。つまりマーケティング2.0の芽生えは、競合の登場と製品同士が比較され始めることで起こったとも考えられます。

 

マーケティングは時代を映す鏡

 自分の好みに合わせて、製品やサービスを選択することができるようになった私たちは、より嗜好性の強い製品やサービスを模索するようになりました。

 マーケティング2.0の役割は、市場のセグメント化と、特定ターゲットに対して他社製品より優れたものを提供するところにあります。こうした顧客へのアプローチは、まだ多くの場合で有効ではあるものの、顧客が受動的であることを前提にしているため、機能面で顧客を満足させることはできても、感性の面で満足させることは難しいものです。その感性面での不足も総合的に満たそうと試みる新しいアプローチが、マーケティング3.0なのです。

 これは昨今、認知行動科学や脳科学の世界にまで足を踏み入れたマーケティングで、現段階ではまだまだ発展途上の分野です。そういう意味では、今私たちが生きているこの時代は、マーケティング3.0の黎明期といえるでしょう。

 この事実は、とても興味深く、また大きなチャンスなのだとも思います。今までとは異なる、まったく新しいアプローチが生まれようとしている時代に、私たちは立ち会っているのです。そして新しいマーケティングに向かって進んでいる今だからこそ、その位置づけを確認するためにも、これまでのマーケティングをもう一度見つめ直す必要もあるのではないかと考えます。


<書籍紹介>

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よい商品を作れば売れるのではなく、顧客満足度を高めることで売れる――マーケティングとは買ってもらうための仕組みづくりである。



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