子どもに教えたい!「お金のIQ」の高め方
2014年09月10日 公開 2022年12月01日 更新
お金のことをよく知らないがために、人生の選択肢を狭めている人たちは少なくない。彼らの多くはお金に関する教育を受けたことがないという。子供のうちはお金に対してまったく白紙の状態であるからこそ、親のお金の扱い方がそのまま子供に受け継がれる。お金の専門家・本田健氏に、子供のうちに教えたい「お金のIQ」の高め方を伺った。
※本稿は、本田健著『子どもに教えたい「お金の知恵」』(PHP文庫)より一部抜粋・編集したものです。
あなたは「お金の知恵」を持っている?
お金について、どのような知識や知恵を持っていますか?現在の社会でお金を使いこなすには、ビジネス、法律、投資、税務など、様々な知識が必要です。私は、このようなお金の知性のことを「お金のIQ」と呼んでいます。
残念ながら、日本人のほとんどが、こういった知識を学校でも家庭でも教わることのないまま、大人になっています。
平均的な日本人が持っているお金の知恵と言えば、「無駄遣いしないこと」「収入以上のお金を使わないこと」「できれば積立貯金をすること」の3つくらいでしょう。この知識だけでは、お金持ちになることは難しいのです。
子どもにお金の知恵を授けるためには、まず大人であるあなた自身が、どんなお金の知恵を持っているのかを知ることから始める必要があります。
「お金のIQ」の4大原則
世界のお金持ちは、子どもに体系的な金銭教育を与えています。彼らは、「お金を残す」ことよりも。「お金の知恵を残す」ことのほうが重要だと考えているからです。
それでは、世界のお金持ちが子どもたちに教えているお金の知恵についてお話ししていきましょう。お金のIQには、大きく分けて「稼ぐ」「使う」「守る」「増やす」の4つの原則があります。
(1)稼ぐ
お金持ちになるには、最初に稼がなければ話が始まりません。多くの人は、手っ取り早くお金が儲かりそうなことを仕事にしようとします。
しかし、そのような仕事は競争相手も多く、簡単にはうまくいきません。また、流行り・すたりもあるので、意外にダメになるのも早いのです。儲かりそうだという理由で仕事をしても、たいてい失敗に終わります。
お金持ちになるためには、長期間にわたって成功し続ける必要があります。そのためには、人に喜ばれるサービスや物を提供するなどして、多くの人から支持を得るのがいちばん近道です。お客さんに喜ばれた結果の1つが、お金として現れます。
現代の社会は、人を喜ばせた分に応じて報酬が手に入るようになっています。自分が持っている才能で人を喜ばすことができれば、幸せで楽しい毎日を送りながら、豊かになることができるのです。
(2)使う
たくさんお金を稼いでも、すべて使ってしまっては、お金持ちにはなれません。稼いだあとは、お金をうまく使うことが鍵になります。「生き金」という言葉がありますが、お金は使ってこそ生きてくるものです。
お金はうまく使うと、自分のところから出ていったあと、仲間を連れて帰ってきてくれます。逆に下手に使うと、自分が財布から出ていくときに、仲間も一緒に連れて出ていく性質があります。何が「生き金」になるのか、「死に金」になるのかをよく見極めることが大切です。
見栄のためにお金を使ったり、貸すべきではない相手にお金を貸したりするのは、「死に金」と言えます。反対に、自分に投資したり、大好きな友人に贈り物をしたりするのは、「生き金」と言えるでしょう。
自分も他人も幸せになるようなお金の使い方ができれば、どんどん豊かになるでしょう。“お金を使うことで自分と周りが幸せになるか”が、「生き金」になるか否かの判断基準です。
(3)守る
稼いでうまく使ったあと手元に残ったお金も、守りが甘いとあっという間になくなってしまいます。お金のカウンセリングをしていると、おもしろいカップルによく出会います。
稼ぐのがうまい旦那さんには、申し合わせたように、使うのが天才的な奥さんがいたりします。パートナー以外にも、友人、家族、税務署、詐欺師、投資話、寄付の申し込みなど、お金を失う可能性はあらゆるところにあります。
“お金を守る”というのは、“他人との境界線をはっきりさせておく”ということです。かといって、「心を鬼にして、冷たい人間になれ」というわけではありません。
誰かにお金をあげたり保証人になったりすることが、結果的にはその人のためにならないことがあるという事実を、しっかり知っていただきたいのです。
(4)増やす
最後のステップは、稼いでうまく使って守ったお金を、増やすことです。投資に成功すると、あなたの代わりに、お金が働いてくれるようになります。ただし、投資で成功するためには、経済、マーケット、お金の流れ、税金、投資手法、お金の心理学など、様々なことをマスターする必要があります。
お金がどのように流れ、どのように増えていくのかというしくみを知らなければ、投資で成功するのは難しいでしょう。人と違って、お金は24時間働いても文句を言いません。ですから、お金にどのように働いてもらうといちばん効率がよいのかを学び、うまく働かせる必要があるのです。
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