岡田斗司夫 今の若者が「大事なのはお金じゃない」と語る理由
2014年11月19日 公開 2024年12月16日 更新
<<本稿は岡田斗司夫著『僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない』(PHP新書)より、一部抜粋・編集したものです。>>
成功=金備けではなくなった?
先日、「エコノミスト」という雑誌の記者が「評価経済について教えてください」と、やってきました。
経済畑の人間でもなんでもない僕に、経済専門誌がなぜ取材に来たのかと尋ねたところ、「若いキーマンにインタビューをすると、必ず『評価経済』というキーワードが出てきて、岡田斗司夫の名前があがる」と言うのです。
「エコノミスト」は長年、頭がよくて元気なビジネスマンをメインに取材をしている雑誌です。10年くらい前までは、お金儲けに熱心な若い起業家がたくさん登場していました。
こういうふうにビジネスモデルをつくるんです、とか、こうやって史上最年少で上場しました、とか、お金にまつわるサクセスストーリーが記事のほとんどでした。
そして、彼らこそが「不況に負けない元気な若者」の象徴として扱われていました。
ところが、ここ最近、世間で「革新的」と言われる若者に話を聞くと、みんなが判を押したように、「いや、大事なのはお金じゃないんです」と言い出すようなのです。さらに掘り下げてみると、岡田斗司夫が言いはじめた「評価経済」の流れに影響を受けているらしい。
と、ここまでなら、若い人たちのなかだけでの流行や一時的なブームである可能性もあります。
ところが、ほぼ同時期に「東洋経済」という経済誌も取材にやってきました。
経済誌の記者とは、今後の経済発展や景気の回復に関して、あちこちに広いアンテナと人脈を張っている人種。その彼らが、最近はマネー経済とは違う原理によるムーブメントが起きているぞ、とキャッチして、注目せざるをえなくなっている。
「お金ではないもの」が動き出している、とまでは気がついたけれども、表面的には変化がとらえにくい。
そこで、その正体を知るために、「どうやら岡田斗司夫が評価経済の総本山であるらしい」と話を聞きにやってくるようなのです。