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雑談術――苦手がなおる「このひと言」

2014年12月04日 公開

武藤清栄(東京メンタルヘルス所長)

《『感じのいい会話ができる、ちょっとした雑談術』より》

 

初対面から、打ち解けた感じにする方法はありますか?

このひと言 この前、こんなことがあったんです……」

お互いに少し知り合うこと

 打ち解けた感じにするには、まず自分が体の力を抜き、リラックスすることです。そしてゆっくりと呼吸してみましょう。

 余裕があったら相手の胸のあたりに注目し、相手の呼吸に合わせます。相手が息を吐いたらこちらも吐きます。速かったらこちらも速くします。そのうちゆっくり呼吸していると相手も合わせてきます。これが「気が合う」ということです。

 次はお互いに知り合うことが必要です。

 お互いのことをまだよくわからない段階では、「相手はどんな人なんだろう?」「これを話しても大丈夫かな?」などと不安を抱いたり、緊張したりします。

 そんなときは、「打ち解く」の「解く」がヒント。お互いの「よくわからない」ひもを解いてみるのです。

 

ちょっとした失敗談を話してみる

 まずはこちらのひもを解くことから始めます。それには自分の体験、特に失敗談が打ってつけです。「この前、コンビニで買い物したとき、慌てて出てきちゃったので、買った『柿の種』を置いてきちゃったんですよ。そしたら店員さんに追いかけられて『そこのお客さん、止まりなさい!』と言われて……(笑)」

 失敗談は、相手の警戒心を緩めます。こちらも自分の話を受けとめてくれると思うと、不安や緊張が軽減しますので、その分お互いの距離感が縮まり、打ち解けることができます

 「柿の種」といった、細かいディテールを添えると、リアリティがあって相手も話に乗ってきやすくなります。「『柿の種』はお酒のおつまみですか? お酒よく飲まれるんですか?」と次の会話もはずみますね。

 


 

話しやすい雰囲気はどうやってつくるのでしょう?

このひと言 私ってこういう人間なんですよ」

自分をオープンにする

 まずは、表情や視線をやわらかくすることです。これによって場の空気が少し変わります。

 次に自分のことをオープンにすることです。

 相手に自分のことを見せることを、社会心理学では「自己開示」といいます。

 似たような言葉で自己呈示もありますが、自己呈示は自己PR、つまりプレゼンテーションの意味合いがあります。それに対して自己開示は、「私はこういう者なんですよ」と、自分のありのままをさらけ出すような意味合いがあります。

 打ち解けるには、お互いに心理的距離を縮めることが大切です。

 距離感を縮める際、相手に対する不信感が障害となっています。その障害を取り除くために自己開示はとても有効なのです。そうして不信感が安心感へと変わっていくと、不安や緊張は軽減し、話しやすい雰囲気になっていきます

 

自己開示すると相手も自己開示してくれる

 お互いにリラックスし、打ち解けてくると、さらにもうひとつの効果が期待できます。それは社会心理学では「自己開示の返報性」というものです。こちらからはじめた自己開示に対して、相手も自己開示で返してくれるのです。

 「コンビニでの失敗談、わかります。私も同じようなことがありました。この前お昼を買いに行ったとき、ぼーっとしていて、温めていたお弁当を忘れて、そのままにして帰ってきちゃったんです。いったん会社に戻って、あっ! と気づいて……。抜けてますよね。取りに戻ったら、レジの人が笑ってました(笑)」。

 自己開示は世間の評価や、マナー上恥ずかしいことなどもあるため、多少の勇気がいるものです。しかし、ちょっとした勇気を出せば、得られるリターンもあるのです。

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