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おうちで淹れる「おいしい珈琲」のコツ

堀口俊英(堀口珈琲工房HORIGUCHI代表)

2010年11月09日 公開 2024年12月16日 更新

おうちで淹れる おいしい珈琲 おいしい珈琲の淹れ方を練習しましょう。
珈琲の香味のポイントは豆がもっとも重要ですが、ローストや淹れ方にもいろいろあります。好みや気分に合わせて、いろいろな淹れ方を試してみても、愉しみの幅が広がります。まずは何度も試してみること、いろいろと味わってみることです。
おいしい珈琲の淹れ方の基本を、よく練習してください。

※本稿は、堀口俊英著『おいしい珈琲のある生活』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

よい珈琲豆の選び方

よい珈琲の香味は、原材料である生豆の品質により影響され、さらには正しくローストされた珈琲豆から生まれます。多くの珈琲がさまざまな場所で市販されていますので、次のポイントで選択してみてはどうでしょうか。

(1)表示
生産国、生産地域、農園、品種、精製など、きちんとした表示のあるものがよい珈琲である碓率が高くなります。ブレンドの場合も、その内容が表示されているものを選びます。一般的には、高品質の豆のほうが情報量が多く表示されています。対面販売のお店の場合は、わからないことは店の人に質問しましょう。

(2)ロースト
珈琲は、ローストの度合いにより香味が変わります。最近はローストの度合いも表示されていよすので、気をつけてみてください。20年前はミディアムローストが主流でしたが、最近はハイローストやシティロースト、フレンチローストの珈琲も多く販売されています。

ミディアムの好きな人がフレンチローストの珈琲を飲むと苦く感じておいしいとは思わないでしょうし、フレンチローストの好きな人には、ミディアムローストの珈琲は酸味を強く感じるでしょう。自分の好みのローストを見つけてください。

(3)豆と粉
できれば豆で買うのがベターですが、もちろん粉でもかまいません。どちらも、ロースト日がわかるものを購入するようにしてください。ローストしたての新鮮な珈琲を買い、冷凍庫に保管します。

鮮度の見分け方は、ドリップのとき、湯をかけて粉が膨らむものが新鮮です。しかし、購入時には表示でしか見分けることはできません。
最近は全国各地に専門のビーンズショップも増えていますし、インターネットなどでも購入できますので、まずは信頼できる店を探しましょう。

(4)香味
よい珈琲は、変な香味がしません。澄んだきれいな味わいです。また、抽出して時間がたっても香味が変化せず、濁りません。それは生豆に欠点豆が混入していないからです。抽出後しばらく置いておくと濁ってきて、いやなにおいがするものは、よい珈琲とはいえません。

よい珈琲は、味に個性があり、酸味が華やかで果実のような香味、花のような香りがあります。チョコレートのようなコクを感じることができるからしれません。舌に甘い余韻が長く残るかもしれません。そんな香味の感覚がわかるのは、とてもよい珈琲てす。スペシャルティ珈琲を飲んでいると、いつかそんな感覚が理解できるようになるでしょう。

 

珈琲の抽出の仕方

珈琲の香味は、ローストの度合い、粒度、抽出時間、湯温など、さまざまな要因によって変化しますので、これらの適正な組み合わせで抽出することが重要になります。この本に出てくる数値の多くは、目安に過ぎません。最終的には、自分の味覚で決めていくことが重要です。

(1)湯温
湯温が高くなるほど成分抽出が早くなります。一般的な適正抽出温度は90~96度。沸騰したやかんのグツグツ音が収まってから、もしくは沸騰したやかんからドリップポットに湯を移してから抽出します。

低い湯温で抽出する場合は、抽出時間を長くするなどの調整が必要になります。例えば95度で2分なら、85度であれば3分、水出しなら5時間と調整します。

(2)粒度
ペーパードリップの場合は、細かく挽くほどペーパーに粉がつまり、湯がゆっくり落下するため濃い珈琲ができます。粗くすれば湯の落下速度が早くなり、抽出不足になるので、薄い加排ができます。

粒度は、この関係の中で調整が必要になります。例えば、中挽きで10gか、粗挽きで15gのどちらで抽出するほうがよいかは、一概にはいえません。自分で試してみて、お好みのほうを選択してください。

(3)時間
抽出時間が長いほど、成分抽出が多くなって香味は重くなり、短ければ抽出不足で軽くなります。適度の抽出時間が必要になりますが、珈琲の抽出はこの関係を理解した上で、さまざまな組み合わせを試し、自分の好みの味な見つけていく作業となります。

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