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知られざるコーヒー効能「長寿ホルモン・アディポネクチン」

安中千絵(管理栄養士/食・健康コンサルタント)

2014年08月14日 公開 2022年11月14日 更新

知られざるコーヒー効能「長寿ホルモン・アディポネクチン」

「ビールを飲むと太る」は間違い! “やせる”お酒の飲み方や選び方、つまみの組み合わせ方を大公開。管理栄養士・安中千絵氏がお酒を飲みながら楽しくダイエットする方法を伝授する。

※本稿は、安中千絵著『やせたい人は、今夜もビールを飲みなさい』(PHP研究所刊)より一部抜粋・編集したものです。

 

コーヒーは長寿ホルモン・アディポネクチンの分泌を増やす

コーヒーを飮んでいる人は、あらゆる病気を予防する善玉ホルモンのアディポネクチンの血中濃度が高いことが、報告されています。アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンです。

このアディポネクチンは、脂肪酸の燃焼や、糖の取り込み、糖利用の促進、炎症の抑制など、からだにとって有益なさまざまなはたらきをしています。

このため、血中アディポネクチン濃度が高い人の方が、メタボや糖尿病、動脈硬化、心臓病、がんなどになるリスクが低くなることが報告されています。

また、100歳を超える長寿者は血中アディポネクチン濃度が高いことから、アディポネクチンは長寿ホルモンとしても注目されています。このアディポネクチン分泌は、内臓脂肪と関連していて、内臓脂肪が増えると逆に減ります。

つまり、おなかまわりにたっぷり脂肪がついた、メタボ太りをすると、血中アディポネクチン濃度が低くなるということです。逆にやせて内臓脂肪が減るとアディポネクチンは増え、脂肪酸の燃焼や糖利用などが促進されるようになります。

また運動でもアディポネクチンは増えることが報告されています。最近では、アディポネクチンは、筋肉内で、運動と同じはたらきをすることが動物実験で確認されました。そこで、現在、アディポネクチンを増やすメタボ予防薬の開発がさかんにすすめられています。

名古屋大学が発表した愛知職域コホート研究では、35~60歳の男女約3300人を対象に、コーヒーの消費量別に血中のアディポネクチン濃度を測定しています。

その結果、図のとおり、コーヒーを1日4杯以上飲む人が最もアディポネクチン濃度が高いことが分かりました(この研究では肥満度が結果に影響しないように考慮してあります)

愛知職域コホート研究:コーヒー摂取とアディポネクチン血中濃度(男女)

またハーバード大学では、肥満の人がコーヒーを飲んだら、アディポネクチンが増えるか、という実験を行っています。この実験は、平均年齢40歳で、BMI25以上の肥満の非喫煙者で、健康な人、45人を対象に行われています。

それぞれを3群に分け8週間、コーヒーを飲む群、カフェインレスコーヒーを飲む群、コーヒー類を飲まない群に分け、8週間後のアディポネクチン量を比べています。

この結果、調査開始時に比べ、コーヒーを飲んだ群はコーヒーを飲まない群に比べ有意に、アディポネクチンが上昇していました。またカフェインレスコーヒーでもアディポネクチンに上昇傾向がみられています。

こうしたことから、コーヒーがアディポネクチン分泌を促す効果は、カフェインとカフェイン以外の成分の両方にあると考えられています。

日本の若い女性を対象とした、食品の摂収状況と血中アディポネクチン濃度を調べた研究では、唯一コーヒーだけがアディポネクチン濃度に影響を及ぼしていました。

じゃがいもやトマトに含まれるオスモチンにもアディポネクチンと同様の作用があることが報告されていますが、血中のアディポネクチン濃度を食事で増やすには、やはりコーヒーを飲むのが唯一の方法と考えられます

【Check!】食事でアディポネクチンを増やすのは、コーヒーだけ

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コーヒーは胃に悪い?

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