女性のための老子<2>「多言はしばしば窮す」
2015年07月10日 公開 2024年12月16日 更新
《PHPスペシャル2015年7月号より》
コミュニケーションを楽しもう
さあ、『老子』のTAOの言葉に学ぶ女性の生き方、今月は「コミュニケーションを楽しむ」です。
現代はコミュニケーションの時代。職場で上司と部下の間に立って働いたり、プライベートでは子供の親同士の交流や義父母との付き合いなど、上手な会話が求められる場面も増えています。
この「話す」ということについて『老子』は教えています。「会話は飾って沢山しゃべる必要はなく、率直に話せば良い」と。無為自然にあなたらしく話すこつをぜひ身につけましょう。
無為自然に素直に話そう
皆さんは、自分らしく素直に自然な会話が出来ていますか? つい自分をより良く見せようという気持ちが働いて、余分な一言で相手にいやな顔をされたり、また逆に気を遣いすぎて、要点を率直に話せずに、真意が伝わらなかったことなどありませんか? そんな時、誰もが自分のコミュニケーション能力の不足を責めます。ですが、実はうまくいかない原因は、あなたの会話が下手なのではなく、あなたらしく自然に素直に話していない、ということなのです。相手を傷つけまいとして言葉を選びすぎたり、また大切な相手だからこそ、本来の自分以上に良く見せたいという見栄が、あなたを緊張させ、あなたらしい自然な会話のじゃまをしていたのです。
大切なのは素直に率直に話をすることです。話が上手でも下手でも、また知識があってもなくても良いのです。ただ自分らしく思ったことを話し、相手の話をしっかりと聞くことです。そんな自然体の時こそ、あなたが一番光って見えることをどうか忘れないでください。無為自然にあなたらしく、楽しく実践してみましょう。
<著者紹介>
早島妙聴
(はやしま・みょうちょう)
東京都生まれ。一般財団法人日本タオイズム協会理事長・道家<道>学院 副学長。お年寄りから子供まで、わかりやすいタオイズムを伝え、健康で幸せな人生に活かすタオイズムの真髄を伝えている。