そんな「ほめ方」では、部下のやる気も会社の業績も上がりません!
2016年03月27日 公開 2023年07月03日 更新
『今すぐできる! 今すぐ変わる! 「ほめ育」マネジメント』より
業績は、社員がやる気になれば上がると思っていませんか?
「どうして今の若い人たちは、やる気がないんだろう?」
「彼らがもっとやる気を出してくれたら、業績も上がるはずなのに……」
あなたはこんなことを思ったことはありませんか?
じつは、多くの経営者やリーダーがこのように思ったことがあるといいます。
そして、どこかで「今の若い人は、ほめるとやる気になる」という話を聞いてきた経営者やリーダーは、若い社員にやる気を出してもらおうと、適当にほめているのです。
しかし、適当にほめたところで、彼らのやる気は出ませんし、業績も上がりません。
たとえば、上司から「その髪型、似合ってるね」、「そのネクタイ、オシャレだね」などとほめられたとしましょう。
たしかに、そのときはうれしいと感じるかもしれません。ほめられて嫌な気分になる人はいませんので。
しかし、髪型やネクタイをほめられたことがきっかけとなって、やる気に火がついて、バリバリ仕事をするようになって、その結果、業績が上がるかというと、残念ながら、そんなことはないのです。
なぜなら、今の若い人たちは、何をすれば業績が上がるのかということがわかっていないケースが多いからです。
つまり、仮に上司からほめられてやる気になったとしても、そのやる気が、業績が上がる行動に直結せず、空回りしているのです。
何をすれば業績が上がるのかがわかっているベテラン社員に対しては、このやり方でもいいかもしれませんが、何をすればいいのかわかっていない今の若い人たちには、このやり方は通用しないといえるでしょう。
「業績を上げるために何をすればいいのかは自分で考えろ!」では、今の若い人たちは正しい行動ができないのです。
業績アップにつながる行動を明確にし、その行動をほめる
では、どうすればいいのか?
それにはまず、業績アップにつながる行動を明確にすることです。
たとえば、飲食店であれば、飲み物のグラスが空いているお客さんに対して、「お飲み物のおかわりはいかがですか?」と声をかけるといったことになるでしょう。
このような業績アップにつながる行動をピックアップして一覧にしたものを、私は「ロジックツリー」と呼んでいますが、まずはこのロジックツリーを作成し、社員に提示することです。
そして、次にやるべきことは、ロジックツリーに書かれた行動をした社員をほめること。社員の髪型やネクタイをほめるのではなく、社員の行動をほめるのです。
じつは、これが「ほめ育」の最重要ポイントであって、ほかの「ほめる」と「ほめ育」の大きな違いといっても過言ではないでしょう。
さらに、これこそが「ほめ育」を導入すれば売上が上がると言い切ることができる最大の要因なのです。
私が今の若い人たちを見ていて思うのは、彼らは決してやる気がないわけではないということです。
やる気はあるけれども、何をしていいのかがわからないだけ。
したがって、彼らに明確かつ具体的な行動基準を示し、それを一定期間やらせれば、必ず結果がついてくるので、彼ら自身も業績アップという成功体験を持つことができ、それがやる気につながり、どんどん成長していくのです。
実際、これまで私はそのような若者を、本当に数多く見てきました。
ですので、「ほめ育」には絶対の自信があります。