「聞き上手」の人が心がけている、たった1つのこと
2016年06月20日 公開 2024年12月16日 更新
PHP文庫『たった7秒で相手の心をつかむ話し方』より一部抜粋
会話の初めで質問していませんか?
「私、先週旅行に行ってきたんです」と言われたら、「へー、どちらに?」と誰だって質問したくなりますよね。
でも聞き上手は、会話の初めではあえて質問をしません。
なぜなら質問というのは聞き手が知りたいことであって、話し手が話したいこととは筋違いなものが多いからです。
「先週、旅行に行ってきた」という話し手は、この後何かが言いたくて話を始めたのでしょう。
「旅先で素敵な人との出会いがあった」のかもしれないし、「食べたカキに当たった」のかもしれません。
それは後の話を待ってみないとわからないことです。
共感して待つのが聞き上手
「私、先週旅行に行ってきたんです」と言われた時、聞き上手は「おっ!」とか「いいねぇ」と反応します。
そして、穏やかな顔をして「何でも話してみて。待ってますよ」という表情で待っています。
すると話し手は、自分が話したいことを自由に喋ることができます。
話し手が一番喋りたいことを話すのですから、会話は盛り上がるでしょう。
話し手の意図がわかったら、少しずつ質問を入れても大丈夫
少し待てば相手の話したい方向が見えてきます。
「ネットで見たホテルの口コミは良かったのに、行ってみたら最低だった」
と聞けば、相手が話を進めたい方向が見えてきますね。そうしたら質問OKです。
「口コミと一番違っていたのはどこ?」などと聞いてみましょう。これなら話し手の話したい方向に沿っていますから、邪魔にはなりません。
私が出会った「聞き上手」
ある時、雑誌のインタビューに私が答えて「うちの生徒さんは8割方が口下手な方ですから」と言いました。女性の編集の方は「8割ですか!」と反応した後、私の言葉を待っていました。
そして私の話が一段落した時に、「さっき8割方が口下手とおっしゃいましたが、ということは2割の方は口下手ではないということですね!」と尋ねてきました。
彼女にしてみれば、口下手ではない人が話し方を習うということに大変興味を感じたそうです。
でもそれを私の話の途中で聞いてしまうと、私が言いたいことを遮さえぎってしまうと考えて我慢していたのでしょう。
この時、私は「さすが雑誌の編集に携わる人は、聞き方がうまいんだな」と感じました。