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社会

なぜ、 アクティブラーニングか~世界が求める「3つの能力」を育む

『この一冊でわかる! アクティブラーニング』より

2016年07月16日 公開 2021年08月12日 更新

世界が求める「3つの能力」を育むために

キー・コンピテンシーは、3 つのカテゴリーからなっています。

1)社会・文化的、技術的ツールを相互作用的に活用する能力
・言語、シンボル、テクストを活用する能力
・知識や情報を活用する能力
・テクノロジーを活用する能力

2)多様な集団における人間関係形成能力
・他人と円滑に人間関係を構築する能力
・協調する能力
・利害の対立を御し、解決する能力

3)自律的に行動する能力
・大局的に行動する能力
・人生設計や個人の計画を作り実行する能力
・権利、利害、責任、限界、ニーズを表明する能力

(文部科学省Web ページから抜粋引用)

世界が求める「3つの力」と呼んでもいいでしょう。

3つをまとめると「他者に対して相互作用的に知識や技能を活用し、異質な集団と人間関係を作り、社会に貢献できるような主体的な人生観、社会観を築いていく能力」。これらが、自己の人生の幸福と正常に機能する社会を切り開いていくということです。その基礎になる資質が「思慮深さ」ということになるでしょう。

では、これらの能力を具体的にはどう育てていけばいいのか。結論から言えば「対話的な技能」を高めることです。「相互作用的に道具を用いる」「異質な集団と交流する」ところに共通するのはやはり、他者・世界との活発な対話です。「自律的に行動する」ためには自己との内省的対話が不可欠ですし、他者との対話が加わることによってその醸成は加速します。

つまり、講義型授業からアクティブラーニング型授業に切り替えることで、学習者の対話量は何倍にも何十倍にも増加し、しかも、問いを立てる力が増すことによって、そこで起こる対話は極めて深く、質の高いものになります。アクティブラーニングは、キー・コンピテンシーの3つのカテゴリーを高めていくのに極めて有効なのです。

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