後継社長なら身につけておきたいコミュニケーション能力~第一印象と肯定的な言葉
2017年01月18日 公開 2017年01月18日 更新
後継者を育て、事業承継を円滑に行なうために留意すべきこととは?会社員時代に幅広い分野で活躍し、現在、経営コンサルタントとして後継経営者教育に力を入れている鑄方氏が、事業承継における陥りやすい問題点や徹底すべきポイントを解説。今回は、後継者のコミュニケーション能力を育てるためのポイントを解説します。
コミュニケーション能力を高めるポイント
企業経営者が組織をまとめ上げていく上で、コミュニケーション能力が求められることは言うまでもありません。
まず、次の5つが基本です。
●明るく爽やかな挨拶と笑顔
●活き活きとした豊かな表情
●清潔感あふれる身だしなみ
●思いやりのある言葉づかい
●誠意と熱意ある態度
これらが身についていれば誰とでもうまくやっていけると思いますが、もう少し具体的に基本となるポイントを解説しましょう。
第一印象をよくする
第一印象は3分で決まるとよく言われます。特に次の点に留意させてください。
最初の3秒…顔の表情、髪型、姿勢、態度、服装などの「見た目」で優しそう、怖そう、仕事ができそうなど、瞬間的な評価が下されます。清潔感があって礼儀正しい態度が好感を持たれることは言うまでもありません。
最初の30秒…名刺交換や自己紹介の時の会話で、声の高低、スピード、イントネーションなどから人柄が判断されます。例えば、低い声でゆっくりと話されると、「落ち着いた重厚な感じの人かな?」高い声で早口だと、「少し慌て者かな?」といった具合です。落ち着いた声で相手に合わせたスピードで話すと、信頼感が出るでしょう。
最初の3分…この間でかなりの会話がなされ、言葉と態度から第一印象がほとんど決まります。「この人はすごく感じのいい人だな」「なんとなく苦手なタイプだな」といった具合です。相手に好意を持ってもらうには、まずこちらから「あなたに会えて嬉しいです」という気持ちを表情に表し、明瞭に活き活きと話すことです。
肯定的な言葉をつかう
「人は事実よりも言葉に反応する」と言われています。できるだけ肯定的な言葉をつかうようにさせることです。
例えば、顔色のいい人に、「いい顔色をしていますね。お元気そうでなによりです」と言えば、相手も気分がいいでしょう。しかし逆に、顔色の悪い人に、「顔色が悪いですね。どこか具合が悪いのですか?」と心配しても相手は少しも嬉しくありません。このような否定的なことは言わないように注意させましょう。
相手の話を最後まで聞く
相手の話が終わってから自分の考えを話す習慣を身につけさせましょう。相手の話をすぐに否定しない、相手の話の腰を折らない、うわの空で聞かないなどの注意が必要です。
楽しい雰囲気をつくる
いつも明るく朗らかに、活き活きと面白く振る舞うように心がけさせましょう。話す時も笑顔を忘れてはいけません。
相手の長所を褒める
相手の長所を褒める時は、相手が素直に受け取ってくれる褒め方をすること。それには、相手が自信を持っているところを褒めるのが一番です。例えば、柔道で腕に覚えのある人には、「柔道○段ですか、素晴らしいですね!」と褒めると、相手も素直に受け取ってくれます。
また、具体的に褒めると、より効果的です。服装を褒める時には、単に「素敵なネクタイですね」と褒めるのではなく、「センスがあって素敵なネクタイですね」と褒めたほうがいいでしょう。さらに、「スーツともよく合っていて素晴らしいですね」と具体的な理由を添えれば、相手はいっそう嬉しく感じます。