テレビに出てくる芸能人に真剣に恋をしています……恋愛相談
2015年05月01日 公開 2022年07月14日 更新
テレビの中のあの人に逢いたい
相談内容
この話を聞いたら、普通の人は変かと思うかもしれませんが、今私が恋をしている人というのが、テレビの中の人なのです。いろんな番組(トーク番組など)に、毎日のように出ている人なので、彼の性格が伝わってきます。表裏があまりないと本人も言っているように、私もそんな彼を見ていて好きでたまりません。東京に住んでいるので、とても身近に感じてしまいます。
ファンというあこがれとは違って、本当の好きという気持ちで、実際に彼と会ってみたいです。昔の彼とも似ている人なのですが、つきあっている間も、テレビの彼の方に心がときめいているものがありました。この人以上の人が見つからなければ、私の恋ははじまりそうにもありません。
告白して、ふられたなら、それに対しては、あっさり気持ちを変えられるタイプなので、ただ会って話をしてみたいだけなのです。出会える方法を考えている私は変でしょうか。テレビの中と現実はむしろつながっていて、普通の人とテレビの中の人がつきあう事だってありえると思うのです。
今、彼のことで物事が手につかなくなってきて、自分でもどうしたらいいのか分かりません。相談にのってもらえないでしょうか。どうかよろしくお願いします。
(26歳、女性、家事手伝い)
現実をみつめることも必要
アドバイス
「ふつうの人とテレビの中の人が恋愛をすることだってあり得る」とあなたは書いていますが、それはその通り。芸能の世界にいて、一見、華やかに見える人たちも当然、生身の人間なので、恋愛もし、結婚もする。ただ、これは世界中の誰にでも言えることですが、すべては偶然の巡り逢い。ですから、あなたとそのテレビの中の彼とが永遠に、出逢い恋に落ちる可能性が100%ないというわけではないと、思うのですが……
あなたからのお手紙を読んで、正直いってちょっと困ったなと思いました。それは、以前、私はある文章を書くために必要で、ストーカーについての資料を読みあさったことがあって、つい、それを思い出してしまったからです。
今現在、事件などで取り上げられているものは恋愛がらみのものが多いようですが、ひと言でストーカーといっても様々なタイプがあります。そのひとつが、芸能人や有名人に対するストーカー行為。ストーカーは最初からストーカーというわけではありません。彼らはテレビやスクリーンの中の芸能人に純粋に恋愛をします。仮にストーカーは男、相手は女優ということにしておきましょう。「好きだ」という気持ちがつのるに従って、男はその女優がふとテレビの中で見せた笑顔は、自分に、自分だけに向けられたものだと思い込みはじめます。やがて男の中で妄想がふくらみはじめます。彼と女優は相思相愛なのに、邪魔をする者がいて、彼女は自分に逢いに来れない、素直に気持ちを口にできない……そんな妄想です。
そして男の気持ちはエスカレートし、ついには親し気で意味不明な文章の手紙を送りつけたり、ありとあらゆる手を使って女優のスケジュールを調べ上げ、仕事先、そして住まいにまでつきまとうようになるのです。
こんな話を持ち出して、気を悪くなさったでしょうね。ごめんなさい。
しかし、実際にテレビの中の彼に逢って気持ちを告白したいと考えているあなたに、多少なりとも不安を感じてしまったのは事実です。
誰かに恋することは、その人のことで頭がいっぱいになってしまうことであり、なにを見ても、なにをしていても、ついその人のことばかり考えてしまったりします。そう考えると今、あなたはまさしく恋をしているのだと思います。恋をしたら相手の気持ちをたしかめたいと思うのは、当然の気持ちの流れではあるのですが……
たいていの場合、人は芸能の世界に生きている誰かに恋をすることはあっても、自分自身の現実とは分けて考えるものです。テレビや雑誌などに掲載されていた写真を見ている瞬間は恋する乙女の顔をしていても、スイッチを消せば日常に戻ります。しかし、輝いている彼らによって心癒され、あるいは明日も頑張ろうと元気をもらったりします。
あなたの場合、それだけではもうダメなのかしら? それとも、いっそ追っかけでもしちゃいますか?
職業は「家事手伝い」とありましたが、あなたは毎日、具体的になにをして、どんなふうに過ごしているのでしょうか?
たまには友達と出かけたりはしているのかな?
外の空気を吸って、生身の男性と話しをしたりする機会を多くもってみてはいかがですか?
テレビの中の彼ほど素敵な人はなかなかいないかもしれないけれど、ふつうの世界にいる男性は悩みや愚痴をきいてくれるし、肩をたたいて励ましてもくれる。そんな関係もいいものです。
ありきたりなことしか言えず、ごめんなさい。
でも、本当の意味での現実をみつめることも、今のあなたには必要な気がしています。