中国歴史ドラマに学ぶ! 安野モヨコが語る「幸せをつかむ強い女性」とは

舞台は中国、時は6世紀・南北朝時代。独孤家の三姉妹の末娘・伽羅が隋の初代皇后になるまでを描くドラマ「独孤伽羅~皇后の願い」。安野モヨコさんに、このドラマを通して「強い女性」についてお話をうかがいます。
2011年10月18日 公開
《 PHPビジネス新書『プロフェッショナルを演じる仕事術』 より 》
まずはプロフェッショナルの中から、自分に合う「師匠」を見つける必要があります。自分が達成したい夢や、人生のミッションが決まっていれば、その道を先に走っている先輩としての師匠はすぐに見つかるはずです。もし自分のやりたい事が明確でない場合は、何となく憧れる人を決めればそれでOKです。というのは「憧れる」という感情自体が、相手が自分に足りなやものを持っている事を意味しており、その人を師匠にして修業する中で、自分のやりたい事が自ずと見えてくるからです。ただ、師匠を選ぶ際には注意すべきポイントがいくつかあります。
1)再現性はあるか
たまたま宝くじで一発当てて億万長者になった人に弟子入りしたいと思う人はあまりいないはずです。これはやや極端なたとえですが、師匠を見極めるときは、その人が再現性のある方法論を持っているかが1つの決め手になります。 その意味で会社の上司は、必ずしも師匠にふさわしくない場合もあります。すでにご紹介したように組織には「ピーターの法則」によって能力ではない理由で役職が上がっている場合もあり、さらに上司が持っているスキルは既に古くなってしまっている可能性もあります。したがって、どんな人から何を学びたいのかを、自分の中で慎重に検討する必要があります。
2)社会性はあるか
将来的に自分が師匠とする人から大きな影響を受けるのですから、特に政治色がある人や、宗教色が強い人は慎重に選ぶ必要があります。必ずしも世間の評価が正しい訳ではありませんが、社会的評価も師匠を選ぶ際に重要な判断基準になります。
3)理論家か、実践者か
研修でリーダーシップを教えている人が実際にはまったくリーダーシップがない、心理学者の家庭がうまくいっていない、といったケースはよくあります。「知っている事」と「できる事」はまったく別だからです。
経営学の父として知られるドラッカーも、自分自身は気が変わりやすく意思決定者には向いていないと語っています(『DIAMONDハーバードビジネスレビュー』2003年11月号)
ただ、だからと言ってドラッカーから経営を学ぶ価値がないかと言えば、そんな事はありません。世界の経営者がドラッカーの著書を絶賛しているのは、そこに深い洞察力によって導きだされた普遍的な原理原則が書かれているからです。したがって何かを学ぼうとするときは、一体自分はその人から「知識」を学びたいのか、「思考法」を学びたいのか、それとも「実践力」を学びたいのか、といった自分が得たいものを見極める必要があります。
4)弟子育成のメソッドはあるか
天才的なサッカープレーヤーが必ずしも名監督になれる訳ではありません。なぜなら生まれつきセンスがいい人は直観的に動いており、論理的にそれを説明できるとは限らないからです。苦労しながら勉強した人の方が家庭教師に向いているようなもので、プロフェッショナルだからといって指導がうまい訳ではないのです。
もし自分の習いたいと思っているプロフェッショナルが多くの弟子の育成に成功しているとしたら、それは教育メソッドを持っている証拠であり、高い確率で自分も上達できる可能性があります。
立川談春の自伝的著書『赤めだか』の中に、弟子入りしたばかりの談春に対して談志師匠が稽古を付けるシーンが出てきます。一通り手本を見せた後、談志師匠は次のように言います。
「ま、こんなもんだ。プロとはこういうものだという事が分かればそれでいい。よく芸は盗むものだというがあれは嘘だ。盗む方にもキャリアが必要なんだ。最初は俺が教えた通り覚えればいい。盗めるようになりゃ一人前だ。時間がかかるんだ。教える方に論理がないからそういういい加減な事を言うんだ」
落語や武道のような世界には確立された教育メソッドがあります。効率的にスキルを身につけようと思ったら、まずはそのようなしっかりした教育メソッドを持つ師匠につく事が有効な手段の一つです。
ただ、もし憧れる人から直接指導を受けるのが難しい場合も、本書で説明したような「3つのフレームワーク」やコンプレックスの乗り越え方を意識しておけば、自分自身で「守・破・離」を作り出せます。直接会った事のない人を師として学ぶ事を「私淑する」と言いますが、まさにそれが可能になるのです。
どのプロフェッショナルから学ぶかを決めたら、その人を師匠としてすべてを受け入れる覚悟が必要です。すでに見てきたように、プロフェッショナルの能力は「行動フレームワーク」「思考フレームワーク」「精神フレームワーク」が統合されてでき上がっているために、「役に立ちそうな所だけマネしよう」と考えても、そんなに都合よくいきません。なぜなら〝役に立ちそうな所″自体が素人には判断できないからです。
だからこそ昔から「内弟子に入る」というように、師匠と弟子という徒弟制度の中で寝食を共にし、「できるだけ同じ空気を吸う」という修業方法が取られてきました。近くにいれば「こういうときはこう考える」という思考方法から、普段の口癖といった具体的行動、また師匠をとりまく生活インフラを間近で見られるからです。そしてそばにいて同じような体験をしたり、意思決定の場に立ち会う事でミラーニューロンが活発に働きやすくなり、神経レベルでもだんだんと師匠と同じように頭が動くようになります。
さらに一旦すべてを受け入れる覚悟を決める事は、師匠との互恵関係の構築に役立ちます。師匠にとって弟子を取る意味は、自分の志を継ぐ継承者を育てる事、そして同じ高みを目指して修業する"仲間"を得る事以外にありません。自分にイチイチ反論する人を説得しながら、自分が何十年もかかって身につけたものを教える筋合いはないのです。だからこそ弟子側が自分の価値観やプライドを捨て、素直に学ぶ姿勢を見せられるかどうかが極めて大切です。
アップル創業者スティーブ・ジョブズはスタンフォード大学の卒業式で行った演説を次のように締めくくっています。
「Stay hungry,Stay foolish(ハングリーであれ。そしてバカであれ)。私は常に自分自身そうありたいと願ってきた。今、卒業して新たな人生に踏み出す君たちに、それを願ってやまない」
新しい価値観を学ぼうとするとき、そして新しい役を演じょうとするときには、「自分はこういう自分でなければならない」という固定観念が足かせになります。だからこそ、 わざとバカ (fool) になり、心を解放する事が大切なのです。
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