相手の口元をゆるめる楽しい表現方法
気持ちっていうのは、本当にひとつまみまぶすだけで、お話がやわらかくなって親しみが増す不思議な調味料です。ここでは相手の口元がふとゆるんでしまう楽しい表現方法をお伝えしましょう。ありがちな言い方をほんの少し変えるだけで、印象がずいぶん変わりますよ。
たとえば、ちょっとしたおこづかいが手に入ったときの「嬉しい」などの喜びは「うはうは」と表現すると、より楽しくなります。
「宝くじが3000円当たってうれしいよ」
よりも、
「宝くじが3000円当たったんだ。もう、うはうはだよ」
のほうがお調子に乗っている感じがしませんか。うはうはって、もっと高額を指すんじゃないの? と言うなかれ。3000円でうはうは、これが感情表現です。「うれしい」よりも、ひょうきんさや相手に対する親しみが感じられます。
「腹が立つ」は、初心者の方は「ムッとくる」と使ってみましょう。中級者の方は「カチンとくる」、上級者には「あばれそう」がおすすめです。
A「課長のあの言い方、腹が立ちますよね」
B「課長のあの言い方、ムッときますよね」
C「課長のあの言い方、カチンときますよね」
D「課長のあの言い方、もう少しであばれそうでした」
どれも腹が立っているのですが、「あばれそう」と言ってくれるとそこまでネガティブな感じがせず、場が暗くならずにすみます。怒りは素直に吐き出したほうが、ストレスにならずにすみますよ。
「傷ついた」ということが言いたいなら「ぐさぐさくる」でいかがでしょう。
「課長のあの言い方、もう心にぐさぐさ刺さってます」
みんなが盛り上がっている中で、一人ネガティブオーラを出して場を凍らせてしまった経験のある方は、こんな言い方をマスターしてくださいね。
よくある言い方で「いま手が離せなくて」「疲れていますから」「忙しいので」なども、もっと表現力豊かな言い方に変えていきましょう。これらの言葉は、ときに拒絶的に聞こえることもあって、相手を無用に傷つけてしまうこともあります。
「手が離せない」は「追い込まれている」にするとぐっとやわらかくなります。
「いま追い込まれてるから、後でもいい?」
と言われると、
「何に追われてるんだい⁉」
と聞きたくなりますね。
「組織に」
と必ず切り返してください。
「疲れている」と日常的に使ってしまう人は、「へろへろ」と使ってみましょう。
「毎日残業でもうへろへろだよ」
「疲れている」と連呼する人は深刻に感じてしまい、だんだん近寄りがたくなりますが、毎日「へろへろ」言っている人ならなんだか楽しそう。
「ジタバタ」「あたふた」を使おう!
そしてみなさんにぜひ使って頂きたいのが「ジタバタ」と「あたふた」です。これは、つい「忙しい」と言ってしまうときに思い出してください。
会社の同僚から、
「いま忙しいかな? 頼みたいことがあるんだけど」
と言われたら、
「いまちょっとジタバタしてるんだよね。申し訳ない!」
「ちょうどいま、あたふたしてるとこなんだ。ごめん!」
「いま忙しいから」
と断られるより、ずっといいですよね。
「ジタバタって?」
「あたふたって?」
と、やはりそこから会話も広がりそうです。感情表現が苦手な人は、言葉づかいを変えることからはじめるだけでもOK。会話で使うのに抵抗のある人は、メールやLINEから使ってみるのもおすすめです。楽しい言葉をあなたのボキャブラリーに加えていけば、会話はとってもスムーズになりますよ。