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13日の金曜日は本当に不吉? 経済の視点から読み解く

2011年12月16日 公開

門倉貴史著 (エコノミスト)

必ず誰かに話したくなる経済学』より 

ジェイソンが登場するホラー映画でも有名な「13日の金曜日」ですが……

 

経済損失は約8億~9億ドル

 殺人鬼のジェイソンが登場するホラー映画でも有名になっていますが、欧米諸国において一般に「13日の金曜日」は不吉な日とされています。というのも「13日の金曜日」は、イエス・キリストが礫刑(たつけい)に処せられた日付と重なるからです。

 欧米の多くの人は「13日の金曜日」が訪れると、何か自分に不幸な出来事が起こるのではないかと恐れています。欧米には「13日の金曜日症候群」という病気もあって、この病気にかかった人は、「13日の金曜日」になると急に体調を崩してしまうそうです。実際、過去には「13日の金曜日」に不幸な事件も発生しています。

 たとえば、2010年8月13日(金)には、英国で航空ショーを見物していた13歳の少年が落雷にあうという事件がありました。しかも、その時刻は「13日の金曜日」の13時13分であったということです。

 ある調査によると、米国の場合、約1700万人から約2100万人の人たちが「13日の金曜日」を本気で恐れていると推計されています。

 そして、「13日の金曜日」には、飛行機や自動車で出かけるのを控えたり、日課にしていることをしなかったりするため、1日だけで約8億ドルから約9億ドルもの経済損失が発生するということです。

 

確率から見た「13日の金曜日」

 では、本当に「13日の金曜日」は不吉といえるのでしょうか。確率的な側面から見ると、意外な事実が見えてきます。

 オランダの保険統計センター(CVS)が、2008年6月12日に発表したレポートによると、「13日の金曜日」は不吉どころか、13日に重ならない金曜日に比べてむしろ安全であることが判明しました。

 CVSは、過去2年間の金曜日に、オランダの保険会社が受けた交通事故の報告件数を調べました。その結果、すべての金曜日の事故報告件数は1日あたり7800件、それに対して「13日の金曜日」の事故報告件数は1日あたり7500件であることがわかったのです。つまり「13日の金曜日」のほうが事故の発生が相対的に少ないということになります。ちなみに、毎月13日が金曜日と重なる統計的な確率は7分の1です。ただ、なぜ「13日の金曜日」が確率的に安全であるのかという理由は、はっきりとはわかっていません。

 「13日の金曜日」に事故や火事、盗難の発生件数が少なくなるのは、人々が不吉なことを恐れるあまり、異常に注意深くなったり、外出を控えるからではないかという人もいますが、CVSはそれが原因とは考えにくいとしています。

 いずれにせよ、確率的な観点からいえば、「13日の金曜日」にマイカーで職場に出かけることは、他の金曜日と比べて(少しは)安全であると言えそうです。

 では、金融マーケットについてはどうでしょうか。過去10年間の米国の株価の動きを見ると、「13日の金曜日」は63%の確率で株価が上昇していることがわかります。「13日の金曜日」の株価の平均上昇率はプラス0.5%です。冷静に考えれば、金融マーケットでも「13日の金曜日」のジンクスは当てはまらず、むしろ縁起のいい日であるといえそうです。


 

著者より

 「経済学」と聞くと、すぐに難しいイメージや硬いイメージを思い浮かべる人が多いと思います。「経済学」の教科書には、説明の一部に数式や読めないギリシャ文字の記号が出てきたりするので、それにアレルギーを示す人もいるようです。
 ただ、とっつきにくいと敬遠されがちな「経済学」も、元をたどれば、古今東西の研究者たちが私たちの日々の生活をつぶさに観察しながら築き上げてきたものです。悲喜こもごもの人間生活を取り扱っているのですから、本来は、とても面白くて、しかも実生活に役立つ学問であるはずなのです。
 そこで本書は、「合コン」での必勝テクニック、AKB48の人気の秘密、40代後半のミセスが贅沢好きな理由、ヘアヌード写真集が減ってきた理由、お菓子のように賞味期限のあるお金の話など、身近な疑問やエピソードの数々を「経済学」の視点から軽やかに綴ってみました。一瞬、「なんでこれが経済学と関係あるのかしら?」と首をひねってしまうお題が盛りだくさんになっています。
 この本を執筆するにあたって、私がこころがけたのは、教科書的な硬い記述は避けて、できるだけ具体的な出来事を盛り込みながら、最新の経済理論や法則が身近に感じられるように工夫することです。次々に出てくる奇想天外な理論や法則に読者のみなさんはきっと関心をもたれると思います。なかには「えーっ!」と、驚いて声を出してしまうようなエピソードも入っています。読めば、必ず誰かに話したくなること請け合いです。
 肩肘を張らず、気軽にくつろぎながらエッセイを読むような感覚で本書を芋にとっていただければと思います。
 全部で46項目のトピックがありますが、1項目ごとに話が完結していますので、読者のみなさんの関心のあるところから読み始めていただいてかまいません。
 みなさんの知的好奇心が刺激されて、「経済学」に少しでも興味を持っていただけましたら幸いです。


 

門倉貴史(かどくら たかし) 
1971年、神奈川県横須賀市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、銀行系シンクタンクの研究員として日本経済研究センター、シンガポールの東南アジア研究所へ出向。その後、生保系シンクタンクに移籍。現在、BRICs経済研究所代表。同志社大学大学院非常勤講師。専門は、日米経済、労働経済、行動経済学、アジア経済、BRICs経済、地下経済と多岐にわたる。テレビやラジオ番組にも多数出演。著書に『ワーキングプア』(宝島社新書)『人にいえない仕事はなぜ儲かるのか?』(角川oneテーマ21)『統計数字を疑う』(光文社新書)などがある。

必ず誰かに話したくなる経済学
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【目次より】
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