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タモリさんが憧れた男…赤塚不二夫流「見事なお金の使い方」

川北義則(出版プロデューサー/生活経済評論家)

2012年01月26日 公開 2022年12月27日 更新

タモリさんが憧れた男…赤塚不二夫流「見事なお金の使い方」

肩書きで人を見る、年齢を言い訳にする……。今こんな「つまらない大人」達が社会に溢れている。たった一度の人生を、男としてかっこよく生きるためにはどうしたらいいのだろうか。川北義則氏が男を磨き、粋に遊ぶための「大人の生き方・考え方」を指南する。

※本稿は、川北義則著『「つまらない大人」にはなるな!』より一部抜粋・編集したものです。

 

「いい大人」の流儀とは

いい大人なら自分なりの生き方を持っているものだ。他人が何といおうと「これがオレ流なのだ」と自信を持っていえるかどうか。それが大人の証拠でもある。

日常茶飯事でも、なあなあでことを進めたり、付和雷同のような生き方をしないで、他人が何といおうと自分は絶対にそんなことをしない、という信条をつねに持っていてほしいものだ。

たとえば「目の前にあるものをすぐにとりにいかない」という信念をいつも持っていれば、あさましい生き方はしなくなる。それは、みっともないことはしないという日常生活にもつながってくる。

よく寿司屋などで見かける光景だが、カウンターの真ん中に座った常連客が、いかにも自分はいつも来ているなじみの客とばかりに、なかに立つ職人を相手に声高にしゃべったりしている。ほかの客の迷惑を顧みずに、である。

寿司屋にしても蕎麦屋にしても、あるいは行きつけの店にしても、本当の常連客は、一見客の邪魔にならないようにと、カウンターでも片隅に座って、いつもどおりに飲んだり食べたりしている。

客が立て込んでくれば、さりげなく勘定をすませて「ごちそうさま」と一声かけて帰る。こんな客が、店から大切にされる客なのである。自分のなかにルールをきちんと持っている。それが自分の流儀でもある。

10代、20代の若いときならいざ知らず、大人になったら「いい大人」であるべき流儀を持っていてほしい。私は個性的な人間が好きだが、といって、それは自己主張の強い人間ではない。自己顕示欲が旺盛な人間は、ときとして会話の途中でも話の腰を折る。

「俺が、俺が」が、どうしても前面に出てくるからだ。そんな人間に欠けているのは、「奥ゆかしさ」なのだ。

ふだんの会話はもちろん、会議、打ち合わせ、議論などでも、会話というものはふつう「話す」と「聞く」で成り立っているが、自己主張の強い人間には「聞く」がない。聞いても左から右へ聞き流してしまう。

会話とは、相手の話を聞いて、自分との同意点、相違点を明らかにして、そのうえで自分の考えを相手に伝えることで成り立っている。だから、相手の話をロクに聞かないで、自分の意見だけを強調するのでは、会話とはいえない。

とかく人はしゃべりたがるものだが、つねに相手の話を聞くことを意識したほうが、会話はうまくいく。奥ゆかしさを持った人間は、聞き上手なのである。それが初対面であろうと、旧知の仲であろうと、相手に敬意を持って向き合う。

そんな人間の会話術は「聞くが6割、話すが3割、沈黙が1割」の配分である。沈黙の1割は考える時間であり、相手を慮る心のゆとりである。会話の例1つとっても、こんな会話がいつもできるようになるのが大人なのである。

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